ペットがお亡くなりになった際にお届けする供花のご注文は、年々増えている印象です。愛犬や愛猫に安らかに眠ってほしいという想いに加え、長く連れ添ったかけがえのない存在を失ったご家族へのおなぐさめという意味も強いでしょう。
私も数年前に愛犬を亡くしましたが、愛犬や愛猫を失うつらさは、家族を失うに等しいもの。なぐさめの花があることは、飼い主にとっても何よりの癒しです。
今回の記事では、ペットのお供えに飾る花、ペットを亡くした方に贈る花について解説します。
目次
ペットのお悔やみのシーン
ペットのお悔やみに際して、実際どのようなシーンで花が飾られ・贈られているのでしょうか。私どもが関わってきたペットのお悔やみの経験をもとに、整理しました。
飼い主ご自身がご用意する花
まず、愛犬や愛猫を亡くされた飼い主ご自身がご注文される花としては大きく、ご自宅用と、葬儀用の2種類があります。
枕飾り(まくらかざり)としてのご自宅用アレンジメント
ペットが亡くなってご自宅に安置されている間、安らかな眠りを願って、ペットのご遺体のそばに花を添えます。
1つもしくは1対(2つ)のアレンジメントに加えて、好きだったおもちゃや食べ物なども一緒に置くこともあり、仏教でいえば「枕飾り(まくらかざり)」にあたるものですね。
アレンジメントではなく、花瓶に花を活けることもあります。火葬を終えられた後にも、ペットのご遺影のそばに長く花を供える方も多いでしょう。

葬儀の際のお棺(ひつぎ)を飾る花
ペットをお棺に入れる際、寂しくないようにお棺の中に花を入れて送り出すことがあります。この場合、ご自宅用に飾っていたアレンジメントの花を切って短くして入れることもできますし、棺の中に入れる花として別途ご注文いただく場合もあります。
生花ではなくプリザーブドフラワーや造花をいれることもあると聞きます。また、閉じたお棺の上に「出棺花(しゅっかんばな)」と呼ばれる花束を乗せてお見送りする場合も多いでしょう。
なお、棺の中の花や、棺の上の出棺花については飼い主ご自身が葬儀場に持ち込んでいるケースが多いです。
ペットの葬儀社が用意する花
ペットの場合は、大きく花祭壇を作るような葬儀はあまり見かけず、大半が火葬のみの葬儀と思いますが、小さな祭壇を作ってフラワーアレンジメントを飾るような小規模な葬儀を見かけることもあります。
この場合のアレンジメントのなどの設えの準備は、多くの場合、葬儀社が一括で担っていて外部から持ち込みができないことが多いので、まずは葬儀社に直接相談するのが得策でしょう。
知人から贈られるお悔やみの花
ペットのお悔やみのご用途のご注文の中で最も多いのが、愛犬や愛猫を亡くされた際に友人や知人の方が贈るお悔やみの花です。
亡くなられたペットへの最後の贈り物としてはもちろんのこと、かけがえのない存在を失った飼い主の方への慰めと支えとして供花を贈る方が多いように思います。
以下に、ペットのお悔やみの花を贈る際のマナーについてまとめました。
ペットのお悔やみ花の選び方・マナー
ペットがお亡くなりになった際でも、通常のお供え花を贈る際と同じ部分が多く、「マナー」というほどの縛りもないのですが、一般的な選び方や贈り方をご紹介していきます。
ペットのお悔やみ花の選び方・マナー① 適切な花色や花の種類
通常のお供えよりも、ペットのお供えの方が自由度は高く、特に色味に関しては「お亡くなりになってすぐだから白」のような考え方は無いように思います。
ご注文の内容としては「ペットなので可愛くおまかせ」というご要望が最も多く、「男の子だから白基調に青や黄色をいれて」、「女の子だからピンク系で」というように、お亡くなりになったペットをイメージできる花色を指定される方もいらっしゃいます。
花の種類についても全く縛りはありませんが、ユリ科の植物には犬猫に害のある種類が多いので避けることを生花店に伝えると良いでしょう。
ペットのお悔やみ花の選び方・マナー② スタイルやご予算
弊社にご注文いただくペットのお供えのご注文の多くが「ご予算5000円(税別)〜15000円(税別)のアレンジメント」です。花束に比べてアレンジメントの方が先様のお手間にならないことを考慮して、アレンジメントを選ばれる方が圧倒的に多い印象です。
青山花茂オンラインショップからご注文いただく際には、季節のおまかせご供花アレンジメントでご希望のご予算をお選びいただき、色味のご希望も合わせてお伝えください。
ペットのお悔やみ花の選び方・マナー③ 花を贈るタイミング
通常のお悔やみ花では、枕花・御霊前・四十九日・御命日などタイミングがありますが、ペットのお悔やみ花を贈るのに指定のタイミングはありません。
強いて言うのであれば、愛犬や愛猫のご訃報を知ってから1週間以内ぐらいに花を贈る方がより思いが伝わるのではないかと思います。
ペットのお悔やみ花の選び方・マナー④ メッセージの内容
多くが小さなアレンジメントなので、弊社では名刺サイズの紙製の札をつけています。紙製の札は通常、「立て札」としての使い方と「メッセージカード」としての使い方の2種類がありますが、ペットのお供えの際は立て札使いで「名前のみ」のような表記だと仰々しさがあるためか、メッセージカードとして数行のメッセージを送られる方が大半です。
具体的には、「**ちゃんのご冥福を心よりお祈りしています。」「**ちゃん、今までありがとう」「**ちゃん、天国でも元気に走り回ってね!」のように、通常の訃報よりは少し崩した表現も多くみられます。
ペットのお悔やみ花のご用命は安心してお任せください
亡くなられた愛犬や愛猫の安らかな眠りを祈り、ご遺族に寄り添うお悔やみの花贈り。ペットを失うつらさは、家族を失うに等しいもの。なぐさめの花があることは、飼い主にとっても何よりの癒しです。
ご相談いただけましたら、マナーに沿った贈り方をお伝えいたします。お気持ちを伝える花のギフトは、経験豊富な青山花茂本店へお任せください。
電話:03-3400-0871
FAX:03-3400-8711
FAX用紙ダウンロード(PDFファイル)
この記事を書いた人
株式会社青山花茂本店 代表取締役社長
北野雅史
1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。
ご挨拶ページへ>