バラの花束を贈る 色や本数、花言葉よりも大切なこと

ピンクのバラの画像

特別な日に花を贈りたいと思ったとき、バラの花束を思い浮かべる人は多いでしょう。青山花茂本店では、長年にわたり、バラには特に強いこだわりを持ち、最高等級のバラを適切に鮮度管理するよう努めてきました。
そんな私達が知る知識をもとに、誰もが知っているバラの花が、多くの人を魅了する理由やバラの花束を贈るときに知っておくべきことを紹介します。

魅力は何より見た目の華やかさと香り

バラの花は華やかな咲き姿と香りが特徴的で、古代エジプトや古代ローマ時代にはすでに栽培されていました。
見た目の華やかさだけでなく、豊かな香りから抽出したローズオイルも重宝され、美容や薬用として使われていたのです。当時はまだ、抽出方法が確立されておらず、大量の花びらを用いていたことから、ローズオイルは大変貴重なものでした。
あのクレオパトラは、自分専用のバラ農園や工場を持ち、近隣国との貿易に香料産業を利用していたといい、昔からローズオイルの価値は高いものでした。

さまざまなバラの品種の画像

種類、品種は2万種以上も

花姿の美しさと豊かな香りが魅力であるバラは、その種類も豊富。大きく貢献したのが、18世紀末から19世紀初めに活躍した皇帝ナポレオンの妻ジョゼフィーヌです。彼女の没後も品種改良は続き、その数は19世紀半ばまでには3000種を超え、ジョゼフィーヌは「バラのパトロン」と称されています。
現在も、毎年世界中で新しい栽培バラの品種が生まれており、国際的に権威のあるバラ品種名鑑「モダンローズ(Modern Roses)」には、25,000種以上の品種・原種が記載されています。

オールドローズ、イングリッシュ・ローズ 人の手で磨かれてきたバラ

1867年には大輪で四季咲きの「ラ・フランス」が誕生しました。これを機に、それ以前に作られたバラを「オールドローズ(古代バラ)」、それ以降に作られたバラを「モダンローズ(現代バラ)」と呼ぶようになります。
オールドローズは品種改良のもとになっており、一季咲きが多く、花の形も優雅です。最大の特徴は豊かな香りで、香料に使われているものもあり、オールドローズの元祖ともいえる「ガリカ」は、花のほかに枝にも強い香りを持っているほどです。
「ラ・フランス」誕生以降は、あらゆる品種との交配が繰り返され、現在、栽培・販売されているバラの多くは「モダンローズ(現代バラ)」です。華やかな花の形や色、育て方も比較的やさしくて、大きな特徴は四季咲きであることがあげられます。
特に新しい系統が「イングリッシュ・ローズ」です。イギリスで誕生した品種で、オールドローズらしいクラシカルな花の形状と濃厚な香りを持ち、さらにモダンローズの特性である四季咲き性と色の豊富さを兼ね備えています。

バラの季節 見ごろは初夏と秋 店頭にはいつでも

「ラ・フランス」が誕生する前のバラの季節は、春だけでした。世界中から集められたバラが交配育成されていき、品種改良が進んだことで四季咲き性のバラが誕生。現在は「バラの季節は初夏と秋」と、バラを楽しめる季節が増えました。気温が低い季節にバラは開花しませんが、温室等で室温をキープすれば、いつでも花を咲かせることが可能です。つまり、お庭や公園では初夏と秋がバラの見頃ですが、生花店にはいつでもバラが置いてあるということです。

歴史に名を残す花

古代ローマ、エジプト時代から育てられていたバラは、ロマンに彩られ、歴史上でもその名を残しています。

紀元前2000年以上前の文献にはすでに「バラ」が記されており、先述したクレオパトラ以外にも、ローマ皇帝ネロも部屋をバラで埋め尽くしていたなど、バラの花や高価なローズオイルは、支配者の象徴として利用されていたようです。
また、百年戦争の終結後のイギリスで1455年から1485年まで続いた「薔薇戦争」も、歴史上の有名な出来事です。白バラを家紋とするヨーク家と、紅バラのランカスター家による王位継承をめぐる内乱で、のちに国家統一のシンボルとして紅と白のバラが用いられています。

フラワーギフトと共にプロポーズの画像

プロポーズにはバラの花束。花言葉も愛にまつわるものが多い

そんな長い歴史と数々のドラマを彩ってきたバラ。

私たちの人生の一大イベント「プロポーズ」もまた、バラの花束が彩るシーンに挙げられる一つです。
歌や映画などでも印象的なシーンとしてもよく用いられています。

最近では、花言葉を気にされる方も多く、確かにバラには「愛情」「情熱」など「愛」にまつわる意味があり、迷われるようです。バラの色や本数によってもさまざまな花言葉があり、その花言葉の出自・根拠もさまざまです。
でも大切なのは、ご自身のお気持ちです。思いの丈をご自身の言葉でお伝えいただくことのほうが大切だと思います。

サプライズでのプロポーズをお考えの場合は、お持ちになることはもちろんですが、都内のホテルやレストランであれば、フロントやお店宛に配送することも可能です。
青山花茂では、お相手に喜んでいただける花束をお作りし、お気持ちを届けるお手伝いができますようにと願っております。

参照:「失敗しない プロポーズの花束選びのコツ

「プロポーズ」の商品一覧|青山花茂

花束で贈るなら本数はどのくらいが良いの?

プロポーズに限らず、バラの花は、花束で贈ると豪華な印象になります。
逆に1本だけでも心に残る贈り物に。他の贈り物にバラを1本だけ添えてみると、ぐっとセンスアップします。

バラを贈るなら、どれぐらいの本数にするといいのでしょうか?

12本のバラ ダズンローズ

花束の本数に決まりはありませんが、ヨーロッパで知られている風習、12本のバラを贈ると幸せになると言われる「ダズンローズ」を紹介しましょう。

その始まりは中世ヨーロッパ。
ある男性が、恋人の家へ向かう途中に摘んだ野に咲くバラ12本で、花束を作ったという話です。男性は、そのバラに誓いをたて、プロポーズをして女性へプレゼントしました。女性は花束を受け取ると、12本のうち1本を抜いて、男性の胸へ挿してプロポーズを承諾した、という言い伝えです。これが、結婚式で新郎が胸に挿すブートニアの起源だといわれています。

12本のバラには「感謝・誠実・幸福・信頼・愛情・情熱・真実・尊敬・栄光・努力・永遠」と意味が込められているとされ、結婚式の演出でよく使われます。

また、イギリスのバレンタインデーには、花屋の店先に12本の赤いバラの花束「ダズンローズ」が並び、多くの男性が愛する人に贈る習慣もあります。なぜ12本なのかも不思議に思われないほど、イギリスでは当たり前のことのようです。

3本、5本、9本、11本、108本など、本数にも意味がある?!

お隣韓国では、5月のローズデーに恋人同士がバラを贈り合っています。
その際、贈る本数にも意味があるのだそうです。

1本は「あなたしかいない」
3本は「愛しています」
5本は「あなたに出会えたことの心からの喜び」を表現するのだとか。
9本は「いつも思っています」「一緒にいてください」と情熱的。
11本になると「最愛」とさらに熱く愛を語り、108本のバラには「結婚してください」の意味が込められているそうです。

ただし、これらの本数ごとの意味にも、出自が曖昧なものも多く、バラの花束の本数は花言葉と同様、あまりこだわる必要はありません。

誕生日に贈るなら年齢の数だけ贈る

赤バラのアレンジメント(大輪65本)
赤バラのアレンジメント(大輪65本)

豪華なバラの花束やアレンジメントだからこそ表現できる「数」もあります。

例えば、大切な人の誕生日。還暦のお祝いに60本の赤いバラを贈ってみてはいかがでしょうか。
青山花茂では、国内最高の等級の赤い大輪バラをご用意していますが、花束はもちろんのこと、赤バラを欧風陶器にレイアウトするアレンジメントもございます。年齢の数はもちろん、贈るお相手にちなんだ本数に調整することも可能です。

また、花束やアレンジメントは、メインの花だけで構成するだけでなく、複数種類の花の組み合わせが一般的です。
そのほか、お渡しするシチュエーションや贈る理由などで、大振りで豪華にまとめるか、コンパクトに持ちやすいサイズにまとめるかも変わってきます。悩んだら、ご相談いただくのが良いかと思います。

何色のバラを贈れば、喜ばれる?

バラにはさまざまな色があり、どの色が喜んでもらえるかと迷う方もいらっしゃいます。
それぞれの色から伝わる印象をまとめてみました。
花を選ぶときに相手の方を思い浮かべていると、自然と大切に思う気持ちが込められます。インスピレーションを大切にして、選んでみてはいかがでしょう。

女性に愛を伝えるなら、やはり真紅や赤

30本の赤バラの花束の画像
赤バラの花束(大輪30本)

愛を伝えるシーンでは、やはり赤や真紅のバラが似合います。バラの花から「赤」を連想する人も多いのではないでしょうか。赤は「情熱」を表す色。言葉で多くは伝えられなくても、赤いバラが真摯な気持ちを届けてくれます。

青いバラ、黒いバラは存在するの?

バラの花は青の色素を持たないため、青いバラを作ることは不可能だと言われていました。2004年に青いバラ「ブルーローズ」が誕生しましたが、色はやや紫色です。夢が叶うと花言葉もつけられて人気ですが、一本あたりの単価は非常に高額です。また、そのほか一般的に「青いバラ」として販売されているのは、人工的に着色されたもので、花本来の色合いではありません。

また黒いバラは、黒といっても黒みを帯びた濃い赤になります。ビロードのような花びらが、光の加減で黒みを帯び、シックな黒バラには、「ブラック・バカラ」や「黒真珠」などの品種があります。数年前にトルコ地方に自生の漆黒のバラがあったというようなニュースも流れていましたが、のちに誤りであったことも話題になりました。また、黒バラは通常、生花店には用意がありませんし、産出している生産者もごくわずかなので、基本的には入手困難な花となります。

紫のバラはシックで、エレガンスな女性に

紫やベージュの大輪バラのアレンジメント
紫やベージュのバラのアレンジメント<プリマドンナ>

青いバラで花束をとお考えなら、紫のバラもシックでおすすめの色です。本物のバラの深い色味は品よくエレガンスな印象で、目上の女性へのプレゼントにも喜ばれるでしょう。また男性に贈る花束の場合にもおすすめのカラーです。

オレンジやピンク、黄色はかわいらしい、可憐な印象

オレンジのバラを使ったボックスアレンジメント
オレンジのバラを使ったボックスアレンジメント

豪華な印象を持つバラは大人への贈り物に喜ばれますが、色の選び方次第では、若い人へのギフトにもおすすめです。オレンジやピンク、黄色といった明るい色には、可憐さや若々しい印象があり、発表会や展示会など、若い女性やお子さんへの贈り物に人気のカラーです。

白いバラは、用途をしっかり伝えて

荘厳で静かなイメージのある白いバラ。結婚式や記念日、卒業や退職など人生の大切な記念の日に選ばれることのある色です。葬儀やお供えの花として選ばれることもありますので、白いバラを選ぶ際には、どのようなシーンで贈る花束なのかを生花店スタッフに伝え、適切なラッピングで作ってもらいましょう。

ミニバラを鉢植えで贈るときの考え方

贈り物に鉢物をとお考えの方もいらっしゃいますが、ミニバラの鉢植えは、実は管理が難しいものです。お相手が園芸好きで、お手入れにも慣れていらっしゃる場合は、鉢植えで贈っても良いでしょう。ミニバラの鉢植えは季節も選びますので、慣れていなければ花束で贈ることをおすすめします。

バラの値段。100本の花束はいくらになる?

「100本の花束で驚かせたい」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、お値段はどれぐらいになるでしょう。
バラは、等級により小売価格に大きな開きがあり、安いものなら1本100円以下、高いもので1本1,000円ほど。私たち生花店から見ると、市場には鮮度の良くないものや発色の良くないものなども含めて多様に出荷されていて、丁寧に作られて管理されている質の高いものほど高価です。

青山花茂本店に、全国の優れた生産者さんから届く最高等級のバラは、1本800円(税別)と、安価なものではありません。ただ、大切な人への贈り物こそ、数ではなく品質の良さで選ぶことをおすすめいたします。
たとえ1本でも、上質なバラは、受け取った瞬間からその質の違いを感じていただけると思います。

赤バラのアレンジメント製作の画像

本当に質の高いバラの見分け方

店に並ぶ美しいバラの花。本当に質の高いバラは、どう見分けたらよいのでしょうか。
基本的には、次の3つの状態が質の高いバラの要件です。

・栄養をしっかり吸収し、よく育った状態であること
・切ってから時間が浅く、鮮度管理がされていること
・花弁と葉が美しく、異常がないこと

花束やフラワーアレンジメントを依頼するときの花選びは、生花店のスタッフにお任せすることになりますが、数本をご自身で選ぶときのちょっとした見極めポイントをお伝えしましょう。

店頭での質の高いバラの見分け方

「栄養の吸収」「鮮度」「美しさ」を見極めるのは、野菜などの生鮮食品を選ぶ視点と似ています。端的に言えば、「元気そうなバラ」を選ぶと良いでしょう。
具体的には、花弁と葉の色ツヤ、茎の長さ太さ、が一つの指標となります。

花弁にシミがあったり、葉がぐったりしているものは、栄養不足や、切ってから時間が経過して鮮度を失った状態。場合によっては何らかの病気の場合もあるでしょう。花弁や葉の色つやがよくシャキっとしていることは質の高いバラの絶対条件です。ただ、元々くすんだ色のバラもあるので、その辺りはお店のスタッフに確認すると良いと思います。

また、茎が長くて太いことは、栄養をしっかり吸収してよく育ったバラであることの証で、とても大切なポイントです。茎が長く伸びてから切ったバラは、市場での等級の評価にも反映されています。

その他にも、青山花茂のバイヤーは細かな見極めのポイントとして以下を挙げています。

・「同じ品種なら、花弁の数が多いものを選ぶ」・・・同じ品種でも、生産者や時期によってバラの「巻き」(花弁の多さをそのように表現します)が多いものとそうでないものがあり、経験を積むとその差がわかってくるようです。

・「外側の花弁をあまりむしり取られていないものを選ぶ」・・・生花店によっては、蕾のように見せるため、咲いてきた外側の花弁をむしりとってしまう場合がありますが、これでは長持ちはしません。

・「茎に必要以上に傷がないものを選ぶ」・・・生花店でバラのトゲを取る際に、傷がつきすぎると、茎を痛めることになり、花の鮮度に悪影響を及ぼす場合があります。

通販サイトで花を選ぶ時の注意

最近は、通販サイトでアレンジメントを注文する機会も増えています。実際に店頭で花を見ることができない場合は「入荷したばかりのバラを使ってほしい」と伝えてみましょう。ただし、良い状態のバラを使ってもらうためにも日にちに余裕を持って、できれば1週間ほど前に予約することをおすすめします。曜日にもよりますが、前日や2日前に依頼したのでは、入荷してから時間が経過したバラを使用せざるを得ないからです。店舗のブログやSNSを見て、通常のお店の様子を確認することも参考になるかもしれません。

青山花茂の店訓には「花を捨てるか信用を捨てるか」の言葉があります。
全国の優れた生産者さんが丹精込めてつくった最上級のバラを、少しでも長くお客さまに花をお楽しみいただけるよう、花の質と鮮度にこだわり、贈られたそのあとを思いながらお届けしています。

バラの花束を大切な人に

長い歴史を持つバラの花は、その姿、香りが大切な人や特別なシーンで利用され、人の手によってさまざまな品種が生まれ現在につながっています。青山花茂本店に届く、国産の最高品質のバラ一輪一輪は、贈られる人へあたたかな感動をお届けします。花束もアレンジメントも、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

株式会社青山花茂本店代表取締役社長北野雅史

株式会社青山花茂本店 代表取締役社長

北野雅史

1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。
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