枕花(まくらばな)とは?相場や贈り方のマナーを解説します

白い胡蝶蘭のお供えアレンジメント

ご訃報を受け取ったあと、お通夜までに贈る花を「枕花(まくらばな)」と言います。お供えのフラワーギフトの中では、最も頻度の多い花かもしれません。

今回は枕花のふさわしいスタイルや相場、お届けのタイミングなどについて整理しました。

1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。

御親戚や親しい方のご訃報には枕花を

枕花とは、字の通り故人の枕元に供えて哀悼の意を示す花で、仏教であれば荼毘(だび)に付されるまで(お通夜・告別式まで)の間に、故人が安置されている場所に花をお届けします。

従って、お届け場所はご自宅のケースが多く、ご自宅(もしくは安置されている場所)を知っている近い関係性の方から送られることが多い印象です。故人がご親戚であったり、親しいご友人である場合は、枕花をお届けするのがマナーであると言って良いでしょう。

枕花と供花の違い 葬儀の後のお供えの花は、枕花とは呼ばない

上記の通り、枕元に備えるのが枕花なので、何らかの事情で通夜・告別式の後の花のお届けとなった場合は、「枕花」とは呼ばず、「御霊前」・「お供え」の花として先さまのお宅に追悼の花をお届けしています。

白い胡蝶蘭のお供えアレンジメント

枕花を届けるべきか、通夜・告別式に供花を出すべきか

ご訃報を受け取った際に、枕花として弔意を届けるべきなのか、通夜・告別式にご供花を届けるのか、それは故人との関係性と、ご訃報を受け取るタイミングから判断すると良いでしょう。

まず、親族や、古くからの友人、職場の同僚など、故人のご自宅を知っているような近い関係性の場合、枕花と通夜告別式の供花、その両方を手配する方が多い印象です。

ただ、ご訃報を知ったタイミングから通夜までの時間の余裕がない場合(例:枕花の最短手配が通夜当日になる)、お忙しいご遺族のことも考えると、枕花のお届けを見送り、通夜・告別式の供花だけを手配することもあります。

枕花を急ぎ手配するために

枕花はご自身で持参するか、生花店から届けてもらいますが、お通夜までの間に供える花ですので、お届けするなら手配は急ぎます。どの生花店も、枕花のお届けは最短で手配しようと心がけるはずです。

青山花茂では、枕花のお手配はご注文いただいたその日、もしくは翌日にお届けするため、自社配達もしくは花キューピットを通じて、できるだけ早くお届けしています。お急ぎの際はお問い合わせフォームまたはお電話でご相談いただけると確実です。

電話:03-3400-0871

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白いバラのお供えアレンジメント

枕花の手配のマナー

枕花の色味・種類やお届けする際のマナーについて問い合わせをいただくことも多いので、以下に簡単に枕花の手配で押さえておきたい点をまとめました。

枕花の手配のマナー① いつ、どこに届ける?

上記でもお伝えしましたが、枕花はお亡くなりになってからお通夜までの1週間程度の間に供える花ですので、最短で手配します。

お届け先は、故人のそばに届けたいので、ご自宅にお届けするケースが多いですが、セレモニーホールの安置施設に枕花をお届けする場合もあります。その場合はお届け先のセレモニーホールに、枕花のお届けの可否を確認できると良いでしょう。

また、ご自宅やセレモニーホールにお届けした花は、親しい方の哀悼の意がこもった大事な花ですので、ご遺族が通夜告別式の会場にお持ちになり飾られたり、納棺の際に棺の中に「別れ花」として入れられることもあります。会場に運ばれない場合は、ご自宅での後飾り(ご遺骨の周囲を飾る)として活用されます。

枕花の手配のマナー② スタイルや予算の相場は?

枕花として贈られる花で最も多いスタイルはフラワーアレンジメントで、中には花束を届けられる方もいらっしゃいますが、体感では99%がアレンジメントのご注文です。弊社にご依頼いただくご予算としては1万円〜2万円程度が標準的です。

白い胡蝶蘭のお供えアレンジメント
胡蝶蘭とユリの純白のアレンジメント(ご供花)

また、一対(2個)のアレンジメントをお届けする場合もあります。特にご遺族・ご親族からのご注文のでよく見られ、ご遺影の両サイドに設置することを想定してのご注文です。

枕花の手配のマナー③ 花の種類や色は?

枕花は、白を基調とした花色でお届けすることが大半です。青山花茂では、色のご指定がなければ、白一色に、少しのグリーンを入れて枕花をお作りしています。

花の種類は、枕花が急ぎのご注文であるという性質上、常に生花店にあるような一般的な「洋花」でお届けすることとなります。

青山花茂では、オリエンタル百合・トルコキキョウ・カーネーション・カラー・胡蝶蘭などの洋花でお届けしています。もちろん故人が好きだった花を中心にお作りすることもありますが、急ぎのお届けとなるので、選択肢が限られることをご了承ください。

白いユリのお供えアレンジメント
ユリとカラーの純白のアレンジメント(ご供花)

花の手配のマナー④ どうやって届ける?

枕花は通夜までにお届けしたいので、訃報を知ったその日、もしくは翌日にお届けを希望される方がほとんどです。

青山花茂では、都内の近いエリアは自社配達、遠方は花キューピットを通じて、できるだけ早くお届けしています。もちろん、お時間に余裕がある場合は宅配便でのお届けも可能です。

また、お急ぎである性質上、ご自身の手で弔問をかねてお届けされる方もたくさんいらっしゃいます。その場合は、生花店に制作の予約を依頼してから引き取り、持参されることをおすすめします。

枕花の手配のマナー⑤ 立て札への表記は?

枕花にどのような立て札を立てるべきか、不慣れな方にとっては疑問に思う点かもしれません。

立て札の表記として一般的なのは、「御供+依頼主名」もしくは「依頼主名のみ」の表記で、これは枕花もその他のお供えも同様です。

立て札は、3万円を超えるような大きなアレンジメントの場合は木札で、その他の場合はハガキサイズまたは名刺サイズの紙製の札とすることが弊社では一般的ですが、「名前を小さくしたいから紙製の札で」「重厚感を出したいので木札で」といったご希望に沿ってお作りしています。

また、立て札という形式ではなく、「心よりご冥福をお祈り申し上げます。」など、ご遺族宛のメッセージカードをおつけする場合もあり、立て札とメッセージカード両方をおつけすることも可能です。

お供えアレンジメントと札

番外編:神道やキリスト教の場合の枕花のマナー

実は、ご葬儀が神式であっても、「枕花」という名称が使われていることも多く、花の内容も仏式の場合と違いは無いと考えています。ご葬儀に菊を使う場合でも、枕花は急ぎのお届けであるため、生花店に常に用意のあるオリエンタル百合やカーネーション、トルコキキョウなどの洋花を選ばざるを得ないことが背景にあると思われます。

キリスト教では「枕花」という名称を使ってはいないと思いますが、ご訃報に接した際に哀悼の意を込めて花を贈るのは同じです。花の内容についても、特にユリを入れることが多いですが、その他の花は季節の洋花で構成する形となり、これといった指定の形式があるわけではありません。

キリスト教式の葬儀の際の花

枕花のほか、ご供花を贈るマナーや注意したい点

今回は急なご訃報に伴う枕花にフォーカスしてまとめましたが、枕花以外にも、ご供花を贈る際のマナーや注意点が気になる方もいらっしゃるかもしれません。

お相手が仏教のケースで花の贈り方を表にまとめましたのでご参考ください。また、以下の一覧表は一般的なケースで、故人やご遺族との関係性や、相手先の宗派、地域の習慣によっても花のスタイル・色味・立札表記は異なってきますので、どうぞご注意ください

時系列と花の呼称 花のスタイル 花の色味 立て札表記

枕花
(まくらばな)
※故人の枕元に飾る花。訃報を聞いたらすぐ手配

細網籠花

または

アレンジメント

 

白のみ

御供依頼主名

または

依頼主名のみ

もしくは

御霊前依頼主名





供花
(きょうか)
※祭壇を飾る花。一部の花は棺に納める

スタンド花

または

花祭壇

淡い色

花輪/花環
(はなわ)
※斎場の外に飾る。通常は葬儀会社が手配

スタンドの上に円形の造花 比較的明るい

献花
(けんか)
※お別れ会などで焼香の代わりに用いる。通常は葬儀会社が手配

一本の花 なし

初七日
(しょなのか)
※故人の極楽への旅立ちを祈る。葬儀の日に合わせて行うことが多い

細網籠花

または

アレンジメント
白のみ

または

淡い色
御供依頼主名

または

依頼主名のみ

もしくは

御霊前依頼主名
四十九日
(しじゅうくにち)
※極楽浄土に行き忌明けとなる節目。法要の会場もしくはご自宅に飾る

アレンジメント

または

蘭鉢

または

墓前には仏花
※一対の花束

淡い色

※先様との関係性により、故人にゆかりのある花や、季節の花でもOK

御供依頼主名

または

依頼主名のみ

もしくは

御仏前依頼主名

※四十九日を境に仏様になるとされるので「御霊前」は不適切

月命日
(つきめいにち)
※毎月の「命日と同じ日にち」の日。ご自宅に花を飾ることが多い
年忌法要
(ねんきほうよう)
※一周忌、三回忌、七回忌など節目の命日。法要の会場もしくはご自宅に飾る

初盆
(はつぼん・ういぼん)
または
新盆
(にいぼん・しんぼん)
※初めて迎えるお盆に供える花。お盆の入りの前日か、当日午前に届ける

お盆
(おぼん)
※故人が家に戻るとされる。東京のお盆は7月、他の地域は8月が多い
お彼岸
(おひがん)
※春分の日と秋分の日のこと。彼岸の入りの前日か当日午前に届ける

また、お供えの花贈りのマナーは、以下のブログからもご覧いただけます。

参照:「【表で解説】供花、枕花、献花 葬儀・お悔みにまつわる花のマナー

枕花のご用命は安心してお任せください

枕花についての記事、いかがでしたでしょうか。ご訃報の直後に花をお届けすることは、大切な方を偲ぶ気持ちを込めて、ご遺族の方にとっても何よりの慰めです。

枕花の選び方や贈り方などご相談いただけましたら、マナーに沿った花の贈り方についてもお伝えいたします。お気持ちを伝える花のギフトは、経験豊富な青山花茂本店へお任せください。

電話:03-3400-0871
FAX:03-3400-8711
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この記事を書いた人

青山花茂本店代表取締役社長北野雅史

株式会社青山花茂本店 代表取締役社長

北野雅史

1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。
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