オフィスに観葉植物を飾る。レンタルと買い取りの違いや、法人様向けの注意点について

オフィスに置かれた観葉植物

オフィスや店舗などに観葉植物を設置することは、空気清浄効果・保湿効果・生産性を高める効果・リラックス効果など、さまざまなベネフィットがあると言われ、これらの効果の多くが科学的にも証明されています。

最近では会社方針として、執務エリアに観葉植物を設置することを積極的に推し進める企業が増えてきました。ただ、オフィスに観葉植物を置く際には「すぐ枯らしてしまわないか不安」「手のかからない品種を選びたい」「どうレイアウトしたら良いか分からない」など、さまざまなお悩みがあるかと思います。

特に、企業の総務部をはじめとする管理部門の方が、オフィスへの観葉植物の設置を検討する際のガイドになればと思い、記事を書きました。

1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。

オフィスに観葉植物を置く際の注意すべきポイント7選

青山花茂本店がさまざまな企業のオフィスに観葉植物を設置させていただく中で、特にご質問が多い事柄や、注意すべきと感じる点についてまとめました。

1.オフィスの日当たりを確認しよう

日当たりの良いところに置いた観葉植物

オフィス環境では、日当たりの全くない場所を意外と多く目にします。そのような場所に、本来は日照が必要な植物を置いてしまうと、水をあげていてもすぐに枯れてしまうことがあります。

人気のあるエバーフレッシュやフィカス系(ゴムの木系)の樹種は、オフィスの中で日照が足りずに弱っているのをよく見かけます。日当たりがない場所では、日照不足でも比較的長く状態を維持できるシェフレラ・モンステラ・フィロデンドロン・カラテア・アイビーなど、「耐陰性(たいいんせい)」のある樹種を選ぶと良いでしょう。

逆に、置き場所が良ければ多くの観葉植物が室内でも長く楽しめるので、暑くなりすぎない日の当たる場所があればそこに置いてあげたいですね。

2.屋内だと必ず枯れてしまう観葉植物を避ける

オリーブの鉢植え

気をつけなければならないのが、オフィス環境ではほぼ100%うまく育たない植物もある点です。もっとも典型的なのがオリーブで、人気があって設置を希望する方や贈答用で贈られることも多い樹種ですが、日照と風通しが必要となるので室内では枯れてしまいます。

また、ユーカリ・ローズマリー・モミジなども同様に室内での管理は難しい植物です。

3.水の与えすぎに注意

サンスベリアの鉢植え

多くの観葉植物が、「鉢の土が乾いてきた頃」が水やりのタイミングとして適切ではありますが、乾燥に強く水やりの頻度が少なくても良い植物もあります。

特にサンスベリア・サボテン・ユーフォルビア・その他多肉植物を管理する場合は、それらの植物にあった適切なタイミングでの水やりが求められます。

逆に言えば、乾燥に強い植物は、手間のかからない植物でもあります。

4.鉢カバーでオシャレ度は一気に変わる

鉢カバーがおしゃれな観葉植物

オフィスに観葉植物をステキに設置したいときに、「どのような植物を選ぶか」と同じかそれ以上に重要な点として「どのような鉢カバーにするか」があります。流通する多くの観葉植物が、プラスチックの無機質な鉢に入っており、鉢カバー(※土の入っている鉢と区別するために業界では鉢カバーと呼びます)でそれを隠すことができます。

鉢カバーは、プラスチックの安価なものだけでなく、バスケットや木製、陶器製や金属製の高級感のあるものなど多様にあります。金額は高くなりますが、オシャレな観葉植物を求めるのであれば、鉢カバーにこそこだわりたいところです。

5.定期メンテナンス付きのグリーンレンタルがおすすめ

観葉植物のメンテナンスをしているところ

買い取りとするか、メンテナンス付きのレンタルとするか、迷われる方も多いと思いますが、しっかりと自前で水やりなどの管理ができるのであれば、コスト的にも買い取りが良いでしょう。ただ、「枯らさないか不安」「手間をかけたくない」のであれば、レンタルがおすすめです。

例えば高さ180cmクラスの観葉植物本体と鉢カバーの買い取りであれば、1鉢平均3万円程度の初期投資となります。一方、同じものを「水やりメンテナンス付き」のレンタルで契約した場合、月に1〜2回のメンテナンス付きで月額3,000円〜4,000円の金額が相場でしょう。単純計算で、10ヶ月間枯らさずに自前で管理できれば、買い取りの方がコスト的に安くなります。

「初期投資をかけて資産勘定する方が財務的にも良くて、自前で植物を管理する自信がある」という法人の方は、買い取りを選ぶべきでしょう。

しかしながら、観葉植物をオフィスに設置したいお客さまの大半が、ランニングコストはかかっても、レンタル契約を選んでいるのが実情です。買い取った観葉植物は、繁忙期になって水やりを忘れるなど、どうしても枯らしてしまうことが多いのですね。

また、レンタルグリーンであれば、日当たりなどの環境を見て適切な植物を選んでくれますし、希望に応じてオシャレな鉢カバーも提案してくれるでしょう。(レンタル契約の発注先を選ぶ場合は、枯れた場合や虫が出た場合に、無償で取り替えてくれる会社を選ぶように注意しましょう。)

観葉植物のメンテナンス付きレンタルの場合と、買い取りの場合の比較ポイントを下記の表にまとめました。オフィスに置く観葉植物を検討する際に、参考にしていただけたらと思います。

レンタルと買い取りの比較表

6.観葉植物の適切な設置方法はプロに相談しましょう

ホールに置かれた観葉植物

ご自分のオフィスにどのくらいの量の観葉植物を設置したら良いのか迷うこともあると思います。例えば、基準となるものとして「緑視率」という指標があり、視野の中にグリーンが占める割合を言います。「緑視率10〜15%が最も生産性を高める」という研究結果もありますが、実際に10〜15%の緑視率を作ろうとすると、かなりの量の観葉植物が必要となり、ジャングルのようだと感じられるかもしれません。

それぞれの法人様で観葉植物に充てる予算もありますし、導線の確保などオフィスレイアウトの問題もあります。レンタルグリーン業者に予算感を伝えて、実際に現地調査を行ってから、適切な設置数の提案を求めるのが得策です。一般的な植栽であれば、設置まで数週間で行えます。

また、一言に観葉植物の設置といっても、単一の鉢を各所に設置するだけでなく、大きな鉢に寄せ植えたり、天井や壁から吊り下げたり、壁面緑化を行ったりと、さまざまな方法があります。これらも含めて専門家に相談するのが良いでしょう。

7.コスト重視ならイミテーショングリーン(造花)もおすすめ

造花のオリーブ
イミテーショングリーンのオリーブの鉢植え

生の観葉植物(専門用語では生木 「なまき」と呼びます)と、イミテーショングリーン(造花)、どちらが良いのかというご質問をよくいただきます。ご予算や価値観によるものなので一概に言えませんが、イミテーショングリーンはメンテナンスの労力も含めたコスト面でやや優位ですが、ビジュアル面や空気清浄効果・保湿効果においては生の観葉植物の方が優位といえるでしょう。

  • コスト面

    イミテーショングリーンだと、生木のように水をやったりする手間がかからず、枯れて取り替える必要もありません。ただ、例えば180cmぐらいのイミテーショングリーンは陶器鉢まで揃えれば4〜5万円することも普通で、2〜3万円で用意できる生の観葉植物に比べて初期投資は高くなります。

  • ビジュアル面

    最近のイミテーショングリーンは、品種によっては本物と見紛うようなリアルなものもあるのですが、やはり実際の木が持つ艶やかさや質感は出せません。詳しい人が見ると一目で造花とわかってしまい、やや失望感があるかもしれません。

    また、イミテーションの場合、メンテナンスをしないものなので、逆にホコリが溜まってしまっている様子をよく見かけます。意外とこまめに掃除をする必要があるものです。

  • 空気清浄効果/保湿効果

    光合成や呼吸をすることによって得られる植物の空気清浄効果や保湿効果は、当然ながらイミテーショングリーンにはありません。ただ、緑のものが目線に入ることによるリラックス効果は、生木でも造花でも変わらないと言われています。

    したがって、コスト面重視で、かつ一定の初期投資を許容するのであれば、イミテーショングリーンを選択するのも良いでしょう。

多様化するオフィスグリーン

オフィス内の観葉植物の設置で最もポピュラーなのは、単一の鉢を各所に設置する置き型のスタイルですが、近年の観葉植物ブームの影響もあり、設置方法は多様です。これまでに弊社が行なったオフィスグリーンの設置事例を交えて類型化します。

ひと鉢ずつ設置するオーソドックスな方法

オフィスに置かれた観葉植物

最も一般的なのが単体で観葉植物を設置するスタイルです。1つずつ点在させて設置したり、大きい鉢と小さい鉢を組み合わせて設置したりと工夫して設置します。

また、目隠しとして設置したいというニーズもあり、その際は葉の茂った樹種を選ぶ傾向があります。

特注サイズの鉢を設置することも増えています

大きな観葉植物の鉢植え

天井の高さがあり、フロアも広い場合、一般的な180cmクラス以上のサイズの植栽を設置することも増えています。

この場合、特注の植栽となるので費用は高額になること、また、万が一状態が悪くなった場合、同じ枝ぶりの鉢を用意できない可能性が高いことに注意が必要です。

複数の植栽を集めた「寄せ鉢」や「寄せ植え」のスタイル

オフィスの観葉植物の寄せ植え

オフィスの設計の段階で、観葉植物を設置する什器がある場合には、大小の観葉植物を組み合わせて設置する「寄せ鉢」や、什器に土を入れていい場所であれば「寄せ植え」という方法をとることもあります。据え付けの什器がない場合でも、横長の大きな鉢カバーを用意すれば、「寄せ鉢」を作ることも可能です。

観葉植物を天井から吊り下げるスタイル

吊り下げ式の観葉植物

鉢を吊り下げる仕掛けがある場合、天井から植栽を垂らす方法も。この場合、ポトスやアイビーなどのつる性の植栽が選ばれることが多いです。仕掛けがない場合は、壁に造作を施工して壁掛けスタイルとすることも可能です。

その他、壁一面に観葉植物を設置する「壁面緑化」の方法もありますが、これは特に施工時からの計画が必要で、また、植栽のコストも非常に高くなることを念頭に入れる必要があります。

オフィスへのレンタルグリーンのご相談を承ります

今回の記事は、オフィスへの観葉植物の設置を検討する際の一助となりましたでしょうか。

青山花茂本店では、東京都内の法人様に、観葉植物のレンタル(メンテナンス料金含む・月額ご請求)のサービスも行なっています。オフィスの現地調査に伺い、観葉植物を設置する環境やご予算に合ったご提案をいたします。ご希望の方は、どうぞお問い合わせください。

電話:03-3400-0871
FAX:03-3400-8711
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この記事を書いた人

青山花茂本店代表取締役社長北野雅史

株式会社青山花茂本店 代表取締役社長

北野雅史

1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。
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