アジサイの花色はなぜ変わる?花色が変わる仕組みと鉢植えを長く楽しむお手入れのコツ

ピンクのアジサイ

各地で梅雨入りの便りが届く頃。雨に濡れた色とりどりのアジサイが美しい季節になりました。

アジサイは日本のどこでも見ることができ、関東では5月末から6月の梅雨にかけて開花します。この時期に街を歩いていると、いろいろな場所でアジサイを見かけますよね。

アジサイの魅力といえば、青やピンク、紫などの豊富な花色。また育てている間に、だんだんと花色が変化していくという面白さもあります。

今回は、産地へ訪問した際に伺った、アジサイの花色が変わる仕組みと、変化する花色の楽しみ方、アジサイの鉢植えを長く楽しむお手入れのコツなどを詳しくご紹介します。

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この記事の執筆者

青山花茂本店スタッフ

東京・表参道にある宮内庁御用達の生花店です。花一輪一輪を大切にお作りしたアレンジメントや花束、名人達が丹精こめて育てた蘭鉢や花鉢など、最高品質のフラワーギフトを全国へお届けしています。1904年の創業時より培ってきた、花の知識やノウハウを綴っていきます。

ハドランジア(西洋アジサイ)の鉢植えの産地見学に行ってきました

毎年、母の日や初夏のフラワーギフトとして取扱うハイドランジア(西洋アジサイ)の鉢植え。開花状況や花つきなどの生育状況を確認するため、千葉県にある農園へ伺いました。

青山花茂とは長くお付き合いがあり、育種した品種が数々の賞を受賞するなど、実績も確かな生産者さんです。ハドランジアだけでも30〜40種、そのほかにもシクラメンや観葉植物などを育てています。

品質の良い花を育てる環境づくり

ハウス内には、青やピンク、赤、グリーンなど、色とりどりのハイドランジアが並んでいます。

水色やグリーンのアジサイ

玉のように丸い形の手まり咲きや、花に見えるガクの部分が重なって咲く八重咲き、ガクが細長くシャープな形をした珍しいものなど、咲き方もさまざまです。

水色のアジサイ


縁がパープルのアジサイ

水切れを起こしやすいハイドランジアですが、鉢の下から水を吸い上げる底面給水の方法で栽培されています。四角いパイプの中には水が貯まっており、安定的に水や肥料を与えることで、水不足や養分不足を防ぐ仕組みです。

底面給水

以前にご紹介したカーネーションの生産者さんは、人の手でひとつひとつ水やりをしていましたが、花の種類によって最適な育て方もそれぞれで興味深いですね。

関連記事:「カーネーションの鉢植えの育て方にはコツがある?生産者さんに聞いた長く楽しむためのお手入れ方法」

花を開花させるために重要なのがハウスの室温。温度をコントロールするために暖房器具を使用する農園もありますが、こちらの農園では、暖房器具による夜間の加温はしていないとのことでした。
なぜ加温をしないのか尋ねてみたところ、加温をすると花の色がぼやけてしまい、発色が悪くなってしまうからなのだそうです。

開花の具合だけでなく、繊細な花色の美しさにもこだわり、丹精込めて育成する生産者さんの方々の熱意に感銘を受けます。

紫と水色のアジサイ

アジサイの花色はなぜ変わる?

アジサイは土壌の酸性度によって花色を変えるということをご存知の方も多いでしょう。
アジサイの花色は、酸性の土壌では青みが強くなりアルカリ性の土壌では赤みが強くなると言われています。この変化は、アジサイの花に含まれるアントシアニンと、土壌に含まれるアルミニウムの化学反応によるものです。

アジサイにはもともとアントシアニンが含まれており、アントシアニン本来の色はピンクです。土壌がアルカリ性の場合は、土壌に含まれるアルミニウムは溶けにくく、アントシアニンとアルミニウムの結合が起こりづらいため、花色には変化がありません
しかし土壌が酸性の場合、土壌に含まれるアルミニウムが溶けやすくなるため、花に含まれるアントシアニンと結合して花が青色に変化します。

  土壌のph
  酸性 アルカリ性
土壌に含まれる
アルミニウム
溶けやすい 溶けにくい

花色の変化は品種の特性や、そのほかの要素も関係してきますが、土壌によって色が変わるというのはこのような仕組みがあるからなのです。

こちらの農園で生産されているカサノバミックスという品種も、アルミニウムとアントシアニンを結合させる仕組みを利用してグラデーションを作り出しています。
はっきりと2色に分けるのではなく、青から赤へと徐々にグラデーションになるのが理想とのことですが、これがとても難しく、複数の方法で育成して色の出方を比べながら、理想に近いグラデーションを作っているのだそうです。

アジサイカサノバミックス

色変わりが楽しめるアジサイ

アジサイは別名、七変化(しちへんげ)とも呼ばれるほど、花の色が変化する特性があります。生花店などでは、すでに綺麗に色づいた状態の品が並んでいますが、アジサイは最初は淡いグリーンから始まり、徐々に青やピンク、紫などに色づいていきます。
そして時間が経つにつれてだんだんと色が変化し、最後はグリーンで終わるという具合です。

アジサイグリッター

色の変化は日光の量など、管理する環境によっても変わり、日光に当たる場所で置いていたアジサイは、縁が秋色アジサイのような深みのある赤に変化することもあります。

アジサイカサノバミックスの色変わり

購入したばかりの色鮮やかなアジサイはもちろんのこと、時間が経ってさまざまな色が混ざり合った花色もまた素敵ですね。

時間の経過とともに違った顔を見せてくれるアジサイ。アジサイならではの色変わりを楽しみながら、日頃のお手入れを楽しんでみてはいかがでしょうか。

アジサイの鉢植えを長持ちさせる管理方法

アジサイは正しく管理をしてあげれば、長く楽しむことができる花です。
以下の点に注意して日頃のお手入れを行い、いつまでも美しい状態を楽しんでください。

暑い時期の水やりは毎日たっぷりと

梅雨の雨に打たれても丈夫に花を咲かせるほど、水が好きなアジサイですが、必要以上に水をあげてしまうと、根腐れを起こして枯れてしまう原因になります。
目安としては、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷりと水をあげるのが良いでしょう。(鉢の底から水を吸い上げる構造の底面給水鉢の場合は、底面の水を欠かさないようにし、鉢の上からは水を与えない)

ただし夏の暑い時期は水切れを起こしやすいため、毎日水をあげても良いかもしれません。いずれも土の状態を確認しながら、水やりを行なってください。

アジサイの鉢植えに水やり

鉢植えは外で管理する

生花店で購入したり、ギフトでいただいたアジサイの鉢植え。
2〜3日室内に置いて楽しんだら、外に置いて日光や風に当てて管理した方が長持ちします。直射日光が一日中当たるような場所よりも、風通しの良い半日陰のようなところで育てるのが最適です。

また、ご自宅にお庭などのスペースがある場合は、地植えにしてしまうのもおすすめ
地植えは鉢植えに比べて、水切れが起こりにくいことや、鉢を植え替える必要がないというメリットがあります。

枯れたアジサイを復活させる方法

枯れたアジサイ
水切れでしおれてきたアジサイ

水やりや置き場所に気をつけていたとしても、水不足によって花がしおれ、枯れ気味になってしまったということもあるでしょう。

そのような時は、これから説明する方法を試してみてください。花が元気を取り戻し、また美しいアジサイを楽しむことができるかもしれません。

1.花を新聞紙で包む

新聞紙に包んだアジサイの鉢植え

垂れ下がった花や葉を支えるために、花や葉が上向きになるように花のまわりを新聞紙で包みます。

2.水を与える

バケツにつけたアジサイの鉢植え

新聞紙に包んだ状態で水やりをします。
水の入ったバケツや桶に数十分つける方法でも構いません。

バケツから出した後は、受け皿に水を張っておくと、下から水をゆっくりと吸い上げてくれます。

3.時間を置く

復活したアジサイの鉢植え

水を与えたら、時間を置いて様子を見ましょう

花が復活するまでの時間は、花の状態個体差によって異なるため、様子を見ながら花が元気を取り戻してきたら、新聞紙を剥がしてください。

写真のアジサイは、数時間置いた後のものです。水を吸収し、花が元気を取り戻しています。

多くの場合、上記の方法で元気になるはずです。この方法でも花がしおれたままという場合は、水枯れではなく根腐れしてしまったなど、ほかの要因で手遅れになってしまった場合があります。
そもそも花を枯らさないように、こまめに花の状態を確認し、適切なお手入れができるように気をつけましょう。

青山花茂公式インスタグラムでも、弊社社長・北野がアジサイのお手入れをご紹介しています。

 
 
 
 
 
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時間とともに移りゆく花色をお楽しみください

ひとつの鉢でさまざまな花色が楽しめるアジサイの鉢植え。時間とともに移りゆく花色は、いつまでも眺めていたい美しさです。

今回の記事では、花色が変わる仕組みや鉢植えのお手入れ方法について紹介しましたが、奥深いアジサイの歴史や種類については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
ぜひ、こちらも併せてご覧ください。

関連記事:「初夏の風物詩・アジサイの歴史や種類。日本に自生するアジサイと西洋アジサイの違いとは?」

 

この記事の監修者

株式会社青山花茂本店代表取締役社長北野雅史

株式会社青山花茂本店 代表取締役社長

北野雅史

1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。
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