春に咲く切り花16選。老舗生花店がご紹介します

春に咲く花を使ったブーケ

春はさまざまな花が咲く季節。色とりどりの花をみていると、気分も晴れやかになりますよね。春の季節にしか入荷しない花の種類は多く、鮮やかで可愛らしい花ばかり。花好きの皆さまにとっても、私たち生花店にとっても、嬉しい季節です。

今回は、生花店に入荷する春に咲く切り花をたっぷりご紹介します。

青山花茂ロゴ

この記事の執筆者

青山花茂本店スタッフ

東京・表参道にある宮内庁御用達の生花店です。花一輪一輪を大切にお作りしたアレンジメントや花束、名人達が丹精こめて育てた蘭鉢や花鉢など、最高品質のフラワーギフトを全国へお届けしています。1904年の創業時より培ってきた、花の知識やノウハウを綴っていきます。

春の花が流通するのは1月から3月

春といえば、気温が暖かくなり花壇にチューリップが咲く3月から4月頃を思い浮かべる人が多いでしょうか。
実は生花店における春の花は、それよりも早い1月から3月頃に主に流通しています。4月以降になると春の花の流通量はだいぶ少なくなってくるので、春の花をしっかり楽しむためには、季節を先取りするような意識が必要かもれません。

赤いラナンキュラスの畑

アレンジメントや花束の主役になる春の花

春に咲く花の中でもポピュラーなチューリップスイートピーラナンキュラスフリージア春のみに流通する花のうち、この4種類で8割程度を占めている感覚があります。
青山花茂でも、この季節のアレンジメントや花束のメインの花として使われることが多い、春の主役の花と言えるでしょう。今回は、青山花茂での入荷量が多い順にご紹介していきます。

1.チューリップ

ピンクと白の複色のチューリップ

切り花の流通時期:12月〜3月

春の花の代名詞と言えるほどポピュラーな花のチューリップ。花壇に咲く姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
鉢植えも切り花も人気があり、オーソドックスな赤や黄色以外にも、さまざまな色があります。一重咲きの種類がよく知られていますが、八重咲きやフリンジ咲きなど、近年ますます品種が豊富になっています。
花瓶に活ける際は、切り花となった後も茎が伸びて曲がる特性があることに注意して扱う事をおすすめします。

参照:人々を魅了するチューリップの歴史。咲き方の種類や飾り方のコツをご紹介します

2.スイートピー

白とピンクのスイートピー

切り花の流通時期:12月〜3月

スイートピーは、春を代表するマメ科の花。フリルのような花びらが可憐で、白、ピンク、パープル、イエローなど豊富な花色からも人気の高いスイートピー。爽やかな芳香も特徴で、“Sweet pea”という名は「甘い香りのあるマメ」を由来とします。
花言葉は「門出」や「優しい思い出」。出会いや別れの多い春の季節にぴったりの花です。
ちなみに、「赤いスイートピー」という曲がよく知られていますが、曲がヒットした当時は赤いスイートピーは存在しておらず、その後品種改良によって作られたそうです。

3.ラナンキュラス

ピンク色のラナンキュラス

切り花の流通時期:12月〜3月

幾重にも重なる花びらと、色やサイズのバラエティが魅力的なラナンキュラスは、今やチューリップやスイートピーなどの定番の花を追い越すほど人気の高い春の花。花言葉は「あなたは魅力に満ちている」です。
オーソドックスなタイプ以外にも、より日持ちのよい「ポンポン咲きラナンキュラス」や「ラックスラナンキュラス」などもおすすめです。詳しくは以下の記事でもご紹介しています。

参照:人気急上昇中の春の花ラナンキュラス。花づくりの現場を訪れました

4.フリージア

黄色いフリージア

切り花の流通時期:12月〜4月

上品な香りとスラリとした姿が美しいフリージア。色は流通量の多い黄色以外に、ピンクや白、赤、紫など豊富な色があります。
和名は香りに由来して、「香雪蘭(コウセツラン)」と名付けられています。フリージアの香りは、色によって少し違いがあり、黄色はフルーティーで爽やかな香り、白色はキンモクセイに似た甘い香りと言われます。
花言葉は、「親愛の情」「感謝」「友情」「期待」「純潔」などです。

フラワーギフトに欠かせない、名脇役の春の花

春は多くの花が出回る季節。春にしか出会えない、名バイプレイヤーとして欠かせない花が多くあります。どれもアレンジメントや花束に良いニュアンスを加えてくれる花ばかりです。こちらも、青山花茂での入荷量が多い順にご紹介していきます。

5.キンギョソウ

紫のキンギョソウ

切り花の流通時期:12月〜6月

ひらひらと泳ぐ金魚のような花姿からその名が付いた、キンギョソウ。下から多数の花が鈴なりに咲く姿は豪華な印象です。
花色は赤、ピンク、白、オレンジ、黄色、ワインレッド、複色などさまざま。
1本でボリューム感が出せるので、春の切り花としても人気が高い花です。グリーンの香りを基調とした優しい香りがあることも特徴です。

6.リューココリネ

淡い紫のリューココリネ

切り花の流通時期:12月〜3月

星形の花と細く美しいステム。リューココリネは清らかな透明感が魅力の花です。色は定番のパープル系に加え、白や複色なども出回るようになりました。バニラの甘い香りとスパイシーな香りを合わせたような独特の芳香を放つことも特徴です。
主役にはなりませんが、花束やアレンジメントにおいては、大輪の花の隙間をつなぐ小花として活躍しています。

7.アリウムコワニー

白いアリウムコワニー

切り花の流通時期:1月〜3月

小さく白い花が可憐な印象のアリウムコワニー。アリウム属の植物は約400種類ほどあり、ネギやニラ、ニンニクなどもこの仲間で、アリウムコワニーからもほのかにネギの香りを感じます。花は美しい純白のため、英名では“White garlic”とも呼ばれます。
花付きが良く、花持ちも良いので、アレンジメントや花束の脇役として使いやすい春の花です。

8.スイセン

スイセン

切り花の流通時期:12月〜2月

可憐な容姿と独特の爽やかな香りから、古くから親しまれているスイセン。冬の寒い時期に咲くことやそのラッパのような見た目から、「春を告げる花」とも言われています。また、雪の中でも咲くという意味で「雪中花」という別名あります。
最もポピュラーな水仙は、古くから日本で自生する「ニホンズイセン」という品種です。あたかも日本原産のような名前の響きですが、水仙の原産地は日本ではなく、スペインや北アフリカなどの地中海とされています。詳しくは以下の記事でもご紹介しています。

参照:冬に咲く花・水仙(スイセン)の魅力。花言葉が「うぬぼれ」の理由、毒を持つって本当?

9.ストック

ストックの花

切り花の流通時期:11月〜4月

下から花が咲き上がるようなラインが美しいストック。少しスパイシーな独特の香りを持ちます。ストックは英名で“Stock”と書き、茎が太くて丈夫なことがこの名前の由来です。
茎が硬いため、フラワーギフトを作る際にも軸として重宝され、花もちが良いことも特徴です。花色は白、淡いピンク、濃いピンク、赤紫、青紫、パステルイエローなどがあります。

10.クリスマスローズ

クリスマスローズ

切り花の流通時期:1月〜3月

育種が盛んな英国ではクリスマス前後に咲くことからクリスマスローズの名がついたと言われます。咲く花が少ない寒い時期に咲くため、「冬の貴婦人」とも呼ばれます。うつむくような花姿が可愛らしく、ロマンティックな名前も魅力です。
品種の多様さや育てやすさから、特に園芸を楽しむ方にファンが多いですが、切り花としても春先に出回り、花束に趣きを加えるワンポイントの役割で重宝しています。

11.ヒヤシンス

白いヒヤシンス

切り花の流通時期:12月〜2月

春の球根の花として広く知られるヒヤシンス。小学生の頃、球根で育てた方もいらっしゃるのではないでしょうか。グリーンの香りに少し甘さを乗せた爽やかな良い香りが特徴で、和名では「風信子」や「飛信子」といい、拡散性の高い香りが風に運ばれてくることから名付けられたと言われています。
花色は白や紫の他に、ピンク、クリーム色などがあり、バリエーションがとても豊富です。

12.マーガレット

白いマーガレット

切り花の流通時期:12月〜4月

黄色い芯のまわりに、細長い花びらがたくさんついたマーガレット。花色は、オーソドックスな白から、赤、ピンク、オレンジ、黄色、複色などさまざまです。
マーガレットの花言葉は「恋占い」。花びらを1枚ずつちぎって「好き、嫌い、好き、嫌い…」と繰り返し、最後の花びらが「好き」であれば、自分の思い人も自分のことを思ってくれている、という占いです。この恋占いに主に使われていた花がマーガレットなのだそうです。

13.パンジー

深い紫のパンジー

切り花の流通時期:12月〜3月

厳しい寒さにも負けず、健気に可憐な花を咲かせるパンジー。春にご自宅や公園の花壇に咲く姿をまず想像される方も多いかと思います。
近年は苗だけでなく、切り花としても人気が高まっており、流通量も増えてきています。花色はピンク、赤、オレンジ、黄色、紫、青、茶、黒、複色などさまざまで、花姿は花びらがフリルのものなど個性的な品種も多いです。
ステムが短くやわらかいので、主にミニブーケなどで活用されます。

14.アネモネ

赤やピンク、ブルーのアネモネ

切り花の流通時期:12月〜3月

鮮やかな花びらと黒っぽい中心部分の色の対比が美しいアネモネ。花壇でもよく見かける花です。花びらに見える部分は実はガクであることもその特徴です。赤色がポピュラーですが、ピンクや白や青などの色もあります。
切り花としては茎が短く、長い花束や大きなアレンジメントには不向きですが、1〜2輪でも花瓶に活けるだけで季節を演出できる、存在感のある花です。

15.ムスカリ

青いムスカリ

切り花の流通時期:1月〜3月

ブドウの実のような小さい壺状の花を鈴なりに咲かせるムスカリ。ブルーや紫の花色が主ですが、ピンク、黄、白、緑、複色などさまざまです。
世界でムスカリが一躍有名になったきっかけは、オランダのキューケンホフ公園の植栽です。色とりどりのチューリップやスイセンの間に、まるで流れる川のように青紫色のムスカリが密集して植えられた花壇は、ムスカリの人気を高めました。
背丈が短いので、球根をつけたままの一輪挿しなどで楽しむのがおすすめです。

16.ポピー

オレンジのポピー

切り花の流通時期:2月〜3月

カラフルな花色と、ふんわりした薄い花びらが可愛いらしいポピー。ポピーは種類によって「春に咲くもの」と「初夏に咲くもの」に分かれます。切り花として流通しているものは、ほとんどがアイスランドポピーという春に咲く品種です。
黄色、白、オレンジ、アプリコット、ピンクなどさまざまな色がありますが、とても繊細で日持ちが短いので、生花店としてはなかなか扱いが難しい品物でもあります。

春に咲く花を使ったフラワーギフト

春に咲く花が多く出回る1月から3月は、バレンタインデーやホワイトデー、卒入園など、花贈りにふさわしいイベントがありますね。ご自宅用はもちろん、ギフトとしても花を選ぶのが楽しい季節。青山花茂がご提案する春のフラワーギフトをご紹介します。

フレッシュなビタミンカラーのブーケ

淡いグリーンのラナンキュラスや淡いオレンジのカーネーションの花束
春の花束<プレジール>

クリームイエローのラナンキュラスや黄色のフリージア、白いスイートピーなどの春の花を束ねたラウンドスタイルのブーケ。爽やかな春の風を感じさせるような明るい雰囲気の花束です。

春の花の透明感を感じるアレンジメント

ピンクのラナンキュラスやチューリップのアレンジメント
春のアレンジメント<ラフィーネ>

淡いピンクのラナンキュラスやスイートピー、濃淡ピンクのチューリップ、淡い紫のリューココリネなど、春の花々をたっぷり使ったアレンジメント。周囲に白い小花を合わせ、フェミニンな印象に仕上げています。

春の花の上品さが際立つ紫の花束

ラナンキュラスやパンジーの春のブーケ
季節のおまかせ花束【ご予算・花色指定可】

ホワイトの大輪ラナンキュラスをメインに、紫の濃淡のパンジー、淡い紫のアネモネやリューココリネ、うっすらとピンクがかったグラデーションのクリスマスローズなど。みずみずしい春の花々を白と紫のトーンでまとめ、ナチュラルで上品な印象のブーケに仕上げました。

青山花茂では、花選びから受け渡しにいたるまで、専門のスタッフがひとつひとつ丁寧に対応いたします。ご依頼の時期やご用途に合わせて、最適なお品物をご紹介しますので、どうぞお気軽に、ご来店やお電話(Tel:03-3400-0871)でご相談ください。

可憐な春の花を、どうぞお楽しみください

ラナンキュラスやヒヤシンスのブーケ

今回は、青山花茂でも使うことが多い、春に咲く切り花をご紹介しました。春に咲く花は種類が多く、可愛いらしいものばかり。皆さまにもぜひ、春を先取りするような気持ちで、時期を逃さずお楽しみいただけたら嬉しいです。

 

この記事の監修者

株式会社青山花茂本店代表取締役社長北野雅史

株式会社青山花茂本店 代表取締役社長

北野雅史

1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。
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