青山花茂本店120周年のご挨拶と記念特設サイト・キャンペーンのご案内

青山花茂120周年ロゴと芍薬の花束

青山花茂本店は、今年で創業120年という節目を迎えます。
1904年(明治37年)に、北野茂吉が箱車で花を売り歩いたことから始まった青山花茂本店。それから120年にわたり、お客さまのご要望に真摯に向き合い、高品質な商品とサービスの提供に努めてまいりました。皆さまの長きにわたるご愛顧に、心より感謝申し上げます。

今回の記事では、120年の歩みを振り返るとともに、皆さまへの感謝の気持ちを込め、特設サイトオープンのお知らせや、プレゼントキャンペーンをご案内します。

青山花茂本店120年の歩み

徳島から上京した初代 北野茂吉

徳島から上京し、西園寺公望公の邸宅の庭師を務めていた北野茂吉は、日露戦争の始まった1904年(明治37年)、青山にある善光寺の前で、仏前のお供え花を扱うささやかな店を開き、「花茂」と名付けました。
当時の青山は、まだ電車も走っていない東京の郊外。花を積んだ箱車を引きながら、青山一帯から麻布霞町、笄町、高樹町、原宿と少しずつお得意さまを増やしていったそうです。

箱車で花を販売
箱車(明治四十年頃)
北野茂吉と妻つや
北野茂吉と妻つや

花売りの仕事が軌道に乗り、建物としての店舗が完成したのは、1909年(明治42年)のこと。最初の店舗は、善光寺の門前の小道にある3坪ほどの小さなものだったそうです。
その後、2代目・北野豊太郎が跡を継いだ1916年頃、赤坂区青山北町6丁目(現在の港区北青山3丁目表参道交差点付近)に新店舗を開き、この店が戦前の青山花茂本店の拠点となりました。

青山花茂最初の店舗
大正5年の店舗

最先端の電話の導入と、いけばな業界の発展を追い風に事業を拡大

当時はまだ明治神宮もなく、もちろん明治神宮の参道である「表参道」も存在しませんでした。そんな静かな寺町だった青山で花茂が当時の一流店としての地位を獲得するに至ったのは、大きく2つの要因があったと伝わっています。

1つ目は、電話の設置による販路の拡大でした。
1日の店頭売上が1円の頃、電話設置料300円、年間使用料40円の超高級品でしたが、2代目豊太郎は必ず電話が普及すると見通し、早い段階から導入したのだそうです。電話のほかにも、当時発売されたばかりの自転車や地下足袋に代わる長靴など、新しいツールを積極的に取り入れ、青山花茂本店の営業形態を変革していきました。
当時、電話がある生花店は少なく、すぐに麻布や白金の大きなお屋敷のお客さまからのご注文が増えたそうです。この頃のご注文は、お墓へのお供え花や、ご自宅の仏壇用の花だったと推測されます。

2つ目は、いけばなの発展です。
1920年前後の大正末期、富国強兵政策の日本の好景気を背景に、裕福な家庭ではいけばなが流行し始めました。同時期に、大阪を拠点としていたいけばな小原流が東京へ進出した場所が青山で、いけばな花材を調達する先として青山花茂本店が選ばれました。その後、いけばなの発展によって大きく事業を拡大することができたと伝わっています。この頃の小原流様との縁は、現在の青山花茂本店の「いけばな事業部」へと続いています。

大正時代のカタログ
大正時代のカタログ
右側が北野豊太郎
右側が北野豊太郎

「花を捨てるか、信用を捨てるか」

大正時代の電話の設置と、いけばな顧客の増加により、良質な花を常に求める目線の高いお客さまが増えたことは想像に難くありません。戦前から、お客さまの求めに応じて、良質な花を仕入れ、鮮度管理にこだわってきた - そのことは、昭和の初めに2代目豊太郎が遺した「花を捨てるか、信用を捨てるか」という青山花茂本店の店訓に現れています。これは、「鮮度の落ちた花は決して販売せず、お客さまからの信用を守る」という意味です。高級生花店としての品質へのこだわりは、この頃から培われていたことがわかるエピソードです。

廃業の危機からの再起

一流店としての地位を確立していた青山花茂本店でしたが、1945年(昭和20年)5月の東京山の手大空襲で店舗を失い、同時に徴兵により番頭たちを全て失い、一度は廃業を決めたようです。それでも、当時のお客さまからの呼びかけも多かったようで、求めに応じて渋谷駅のガード下で露店を出したり、世田谷区の用賀に仮店舗を出したりと、3代目の北野太郎を中心に再興を志したと聞きます。
終戦から2年が経った頃、縁あって現在の青山花茂ビルの場所に移ることができたそうです。そこにバラック同然の木造の店を作り、本格的に事業を再開します。

戦時中は陸軍の演習場だった代々木公園は、戦後は米軍の兵舎が立ち並ぶ「ワシントンハイツ」となったことはご存知の方もいるかもしれません。当時の花茂本店には、アメリカ人のお客さまもよく来店していて、クリスマスにはモミの木に白いペンキを塗って売ったというエピソードも残っています。そのせいか、1950年代の店舗の写真には、英字表記が見えます。

戦後の店舗
1950年代の店舗

いけばなブームと共に飛躍的に発展

高度経済成長期には、嫁入りの準備には誰もがいけばなを嗜むような時代だったそうで、いけばなのお客さまを持つ各地の花屋はブームの恩恵を受けて大きく成長することができたそうです。3代目の北野太郎も、各地での農場経営や資本提携をはじめ、八丈島や沖縄、オーストラリア、ハワイ、インド、南米などの地域を訪問し、当時日本では珍しかった花々を次々に紹介しました。当時はいけばなの家元をはじめとする先生方の求めに応じて世界中の花を探し回ったわけですが、今やその時に日本に持ち込まれた花が、花の業界では欠かすことのできないものになりました。
3代目はいけばな花材の供給だけでなく、とても精力的に活動をしたそうで、1960年代には、フラワーギフトの全国発送の仕組み作りや、フラワーデザインスクールの設立、ドライフラワーの輸入販売など、さまざまな事業を展開しました。現在の青山花茂ビルが建ったのは1970年代後半のことです。

北野太郎とリッジウェー司令官夫人
右側が北野太郎
いけばな教室
いけばな教室

昭和の終わりから平成の時代、フラワーギフトが主力事業に

4代目の北野晃司が率いた平成の時代は、いけばな事業の伝統を守りつつ、フラワーギフト事業が大きく育った時代でした。宅配便での花の発送が可能になったことによって、全国のお客さまに青山花茂の花をお届けできるようになりました。そして2000年代の初めには、他社に先駆けてオンラインショップでの販売も開始しました。

2009年ウィンターギフトカタログ
’09ウィンターギフトカタログ

2019年4月には5代目社長に北野雅史が就任。
オンラインショップのリニューアルやSNSによる情報発信を通じたオンライン事業の強化、花のサブスクリプションサービスの提供など、時代を捉えた事業展開を進めています。

季節の花の定期便
青山花茂のサブスク、季節の花の定期便

明治、大正、昭和、平成、そして令和。時代とともに移り変わるお客さまのニーズに呼応する形で、青山花茂本店がお売りする品物や販売形態は変化してきました。それでも、今も「花を捨てるか、信用を捨てるか」の店訓が残るように、お客さまに良質な花をお届けすることには、120年のあいだ一貫してこだわっています。
今後もお客さまに「本物の花体験」を提供できるよう、社員一同、一層努力を続けてまいります。

120周年記念特設サイトオープンのお知らせ

120周年記念特設サイトのトップページ

このたび、120周年を記念して、特設ウェブサイトをオープンしました。
特設ウェブサイトでは、120年の歴史を振り返るコンテンツなどのスペシャルコンテンツを順次公開していく予定です。

年間を通してさまざまな企画を実施する予定ですので、ぜひ特設ウェブサイトをご覧ください。

青山花茂本店ロゴ入り水差しプレゼントキャンペーンのご案内

青山花茂オリジナル水差し

現在、青山花茂では、創業120周年記念プレゼントキャンペーンを実施しています。

青山花茂オンラインショップにて、「メルマガ購読を可」にして会員登録いただいた方の中から抽選で10名様に、青山花茂本店ロゴ入り水差しをプレゼントします。

軽量で耐久性・機能性に優れたステンレス製の水差しに、青山花茂のロゴをあしらったオリジナルデザインです。花鉢の水やりや花瓶の水の入れ替えなど、さまざまなご用途にお使いいただけます。

応募方法

【会員登録がお済みでない方】
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キャンペーン期間

2024年5月2日(木)〜2024年5月31日(金)

プレゼント内容

青山花茂本店ロゴ入り水差しをプレゼント

青山花茂オリジナル水差し表側
表面
青山花茂オリジナル水差し裏側
裏面

当選発表方法

会員登録のご住所へお届けいたします。
当選者の発表は、品物の発送をもって代えさせていただきます。

令和の時代も、お客さまとともに

紫のライラックのブーケ

120年間の歩みを通して、私たちは多くの方々と出会い、温かいご支援を賜りました。
これまで青山花茂本店を支えてくださったすべての方々に、心から感謝申し上げます。

今後とも、青山花茂本店をよろしくお願いいたします。

この記事を書いた人

青山花茂ロゴ

青山花茂本店

東京・表参道にある宮内庁御用達の生花店です。花一輪一輪を大切にお作りしたアレンジメントや花束、名人達が丹精こめて育てた蘭鉢や花鉢など、最高品質のフラワーギフトを全国へお届けしています。1904年の創業時より培ってきた、花の知識やノウハウを綴っていきます。
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