ミモザのふわふわ感を楽しみたい!ミモザの花の日持ちはどのくらい?つぼみは咲くの?

花瓶に活けた銀葉(ギンヨウ)アカシア

2月も中旬を過ぎ、青山花茂本店のある東京では先日春一番が吹きました。日中15度を超える日もあれば、真冬のような寒さに逆戻りをする日もあり、まさに三寒四温。
春の花はいよいよ最盛期を迎え、店内の色とりどりの美しい花に目を向けると季節の移ろいが感じられます。

お客さまが花を購入されるとき、「できるだけ長く楽しみたい」や「どうしたら長持ちするの」など、ご質問をいただくことがあります。贈り物としていただいたり、ご自分で購入した花は、出来るだけ長くもたせたいもの。
この季節特に人気の高い「ミモザ」についても、その可愛らしさゆえご質問いただくことが多い花です。 今回はミモザの花の日持ちやつぼみが咲くのかについて、詳しくご説明していきます。

青山花茂ロゴ

この記事の執筆者

青山花茂本店スタッフ

東京・表参道にある宮内庁御用達の生花店です。花一輪一輪を大切にお作りしたアレンジメントや花束、名人達が丹精こめて育てた蘭鉢や花鉢など、最高品質のフラワーギフトを全国へお届けしています。1904年の創業時より培ってきた、花の知識やノウハウを綴っていきます。

ミモザってどんな花?

ミモザの名前の由来

2月に入ると生花店ではもちろん、インスタグラムなどのSNSでも見かけることが増えるミモザ。鮮やかな黄色の花・ふわふわとした見た目・たくさんの小さな花をたわわに咲かせる花姿から、女性を中心に人気を集めています。

アカシアの木

一般的に「ミモザ」と呼ばれていますが、それはマメ科ネムノキ亜科アカシア属の総称で、学名は「アカシア」というオーストラリア原産の常緑高木です。

なぜ学名では「アカシア」なのに、「ミモザ」と呼ばれるようになったのでしょう。

一説では、そのアカシアの花や葉がオジギソウ(学名:ミモザ[Mimosa])に似ており、ヨーロッパに持ち込まれた時に「ミモザに似ているアカシア=ミモザアカシア」と呼んだことが始まりとされています。

ギンヨウアカシアとオジギソウの葉の比較
左:銀葉アカシアの葉、右:オジギソウの葉

こうして比較してみると、両者の葉の形状がよく似ていることがわかりますね。当時の人々が「ミモザアカシア」と呼んだことにも納得です。

ミモザの品種をご紹介

ミモザの品種はオーストラリアを中心とする熱帯・温帯地域にかけて約600種ほど存在します。ここでは日本で庭木として植えられることが多い/生花店で見かけることが多い、代表的な数種類について解説します。

ミモザの品種一覧表

品種名 特徴など

銀葉(ギンヨウ)アカシアの葉
銀葉(ギンヨウ)アカシア

樹高5〜10メートルほどになる常緑樹で、長さ4〜6センチほどの、銀の色味がかった緑のギザギザの細かい葉を持つ。
切り花としては国内での出荷量が最も多い品種。

真珠葉(シンジュバ)アカシアの葉
真珠葉(シンジュバ)アカシア

丸い葉を持ち、「パールアカシア」という名前でも流通している。樹高2〜5メートルほどで他のアカシアよりも比較的低めの品種。
国内産の切り枝のミモザアカシアとしては銀葉アカシアに次ぐ流通量。

フサアカシアの葉
フサアカシア

街路樹としても植えられ、10〜15メートルもの樹高になる高木の品種。ねむの木のような細く分かれた葉をもち、銀葉アカシアより少し小さめの花を咲かせる。
ヨーロッパではミモザといえば、フサアカシアのことを指す。フランスではミモザ祭りの時に咲く品種。

三角葉(サンカクバ)アカシア

樹高2〜3メートルほど。日本では庭木としても人気の品種。銀の色味がかった三角形の緑の葉が特徴。葉は細い枝に螺旋状につく。

長葉(ナガバ)アカシア

樹高6〜8メートル、10センチほどの細長い葉が特徴。一般にイメージされるミモザの花とは異なる長い房状の黄色い花を咲かせる。切り花としての流通はほぼない。

ギンヨウアカシア・プルプレア

ギンヨウアカシアと同じ形状の葉を持つが、新葉が紫色になることがプルプレアの特徴。花を楽しむというよりは、葉者(はもの)として流通している。

アカシア・ブルーブッシュ

樹高2〜4メートル、名前の通りブッシュ状に葉が広がる品種。長さ4〜6センチほどのシルバーブルーの細長い線形の葉が特徴。花を楽しむというよりは、葉者(はもの)として流通している。

ミモザの日(3月8日)について知っておきたいこと

2月中旬ごろから最盛期を迎えるミモザ。フランスでは2月中旬に「ミモザ祭り」が開催され、ミモザは春を告げる花として愛されています。さらにイタリアでは3月8日を「ミモザの日」とし、男性から女性へ感謝の気持ちと共にミモザをプレゼントするのが習慣になっています。

また、3月8日は国際女性デーとして定められており、世界各国はもちろん日本でも女性のジェンダー平等の実現に向けてさまざまな取り組みが実施されたり、イベントが開催されています。

この頃にミモザは最盛期を迎える・国際女性デーのシンボルカラーは黄色(ミモザイエロー)である、などの理由から、イベントや催しには黄色の服やアイテムを身に着けて参加したり、ミモザの花を飾ったりするのです。

各国でミモザが愛されるようになった歴史や国際女性デーについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。

参照:「早春の頃に咲く黄色い花・ミモザの特徴 お手入れ方法や飾り方など

3月8日は親しい方へ感謝の気持ちを込めてミモザを贈ったり、記念日にあやかってご自宅に飾ってみてはいかがでしょう。この時期はほとんどの生花店でミモザを取扱うため、手に入れやすいかと思います。

青山花茂店頭のミモザ
2月中旬頃、青山花茂店頭にて。ディスプレイのミモザ

青山花茂の店頭でも2月中旬ごろからミモザのお取扱いがスタートします。ご購入されるお客さまからは

  1. 「ふわふわ感」を楽しめるのはどのくらい?
  2. つぼみを開花させることはできる?

というご質問をよくいただきます。

可愛らしいミモザの花、できれば長く楽しみたいですね。次の章でそれぞれ詳しくご説明します。

ミモザの花の「ふわふわ感」を楽しめるのどのくらい?

ミモザのふわふわ感はどのくらい長持ちするのでしょうか。

生花店で購入したあとすぐ花瓶に活けたと想定して、A:エアコンの効いた部屋B:涼しい廊下の2箇所に分けて飾ってみます。
ミモザ以外のその他多くの花では、長持ちさせるために「飾る場所は暖かいところを避けて」とありますが、それはミモザでも有効なのでしょうか。どんな結果になるか実験してみました。

1日目

ミモザのふわふわ感がどのくらい続くか実験:1日目

AとBのふわふわ感はとても良い状態です。枝先まで全体的にふわふわです。

2日目

ミモザのふわふわ感がどのくらい続くか実験:2日目

なんと、2日目にしてAとBどちらの状況においてもふわふわ感が落ち着き、花が一回り小さくなっていました。色も、明るい黄色からオレンジがかった濃い黄色に変化しています。

実はミモザの花は、切り花にしてしまうと乾燥が進みます。さらにミモザには水を吸い上げる力が弱いという特性があるため、花瓶に活けてしっかりお手入れをしていても、次第にふわふわの花はドライの状態に変化していきます。鮮やかだったカナリアイエローも、上記実験のように徐々にくすんでいってしまうのです。

ミモザにおいては置き場所に関係なく、ふわふわ感のある花の状態を楽しめるのは1 〜2日が現実的なところのようです。

ミモザのつぼみを開花させることはできる?

生花店はできるだけ開花した、ふわふわの状態のミモザをお渡ししようと心がけていますが、同じ房の中にはつぼみの状態のものがあり、どうしても混ざってしまいます。

ミモザのつぼみ
先端のミモザのつぼみ。まだ緑がかった色をしている

ミモザは切り花にしてしまうと、自力でつぼみを開花させるのが難しく、つぼみはつぼみのままで少し黒ずんで終わってしまうことが多いです。

切り花のつぼみを咲かせるには、新聞紙で包んで保湿する・葉を落とす・水を吸い上げやすいよう茎を斜めに切るなど色々な方法がありますが、このような工夫をしたとしても、ミモザのつぼみ咲かせることは難しいのです。

ミモザのつぼみは咲かないと割り切って、生花店ではふわふわの花が咲いているものを選びましょう。1〜2日というわずかな開花期間ですが、美しい花姿を楽しんでいただきたいと思います。

青山花茂公式インスタグラムでも、弊社社長・北野がミモザについてご説明しています。こちらの動画も併せてご覧ください。

 

 
 
 
 
 
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ミモザのフラワーギフトを期間限定でご用意しています

そんな開花期間の短いミモザの花ですが、他にはないあの花姿には誰しもが心惹かれるもの。青山花茂でもミモザを使ったアレンジメントや花束をご用意しています。

この時期だけの可愛い花ですので、ふわふわからドライの状態になってしまうことが気にならない方々には、ぜひお選びいただきたい品物です。

ミモザをたっぷり20本束ねた花束

ミモザのみでお作りした花束
ミモザの花束(20本)

ふわふわとしたナチュラルな質感が魅力的なミモザのみでお作りしたロングスタイルブーケ。たっぷり20本、両手いっぱいに抱えるほどの豪華な仕上がりです。

お好みの本数を選べる花束もございます。

ミモザを広がるように配置した床置きアレンジメント

ミモザやカラー、トルコキキョウの床置きアレンジメント
ミモザの床置きアレンジメント<レヴァンテ>

白いカラー、淡いグリーンのトルコキキョウやクリーム色のカーネーションに、ミモザを広がるように配置した、高さ70cmのアレンジメントです。ミモザの鮮やかな黄色を高さのあるシルエットがひきたてて、空間を明るく彩ってくれることでしょう。

風水でも縁起が良いとされる黄色の花は、門出のお祝いにもふさわしく、パーティーやイベントも華やかに盛り上げます。

花色のコントラストを活かした豪華なアレンジメント

ミモザやラナンキュラス、スイートピーのアレンジメント
ミモザのアレンジメント<エスペランサ>

黄色いミモザが豊かに咲きほこる間に、濃いピンクのラナンキュラスや白のスイートピー、淡い紫のストックなど。伸びやかな枝ぶりのユキヤナギやリーフも合わせて、花色のコントラストを活かした豪華なデザインに仕上げました。

春の花々の鮮やかな色彩が美しい、青山花茂本店ならではのゴージャスなアレンジメント。フラワーギフトはもとより、式典やパーティーの装花にもおすすめです。

オンラインショップでは、この他にもミモザを使ったフラワーギフトをご用意しています。
下記のURLからぜひご覧ください。

青山花茂オンラインショップ | ミモザを使ったお品物一覧
https://www.aoyamahanamohonten.jp/c/mimosa

春を告げる花・ミモザをぜひお楽しみください

ミモザの切り花のお取扱いは、2月中旬から3月上旬までのわずかな期間。

この時期のお祝いごとやイベントに、春の風情豊かなミモザのフラワーギフトをどうぞお贈りください。
ミモザと共に春の花々をご自宅に飾って、季節感を演出するのも素敵です。

一輪挿しに活けたミモザと春の花
ラナンキュラスやリューコココリネなどの春の花とミモザを合わせて

皆さまのご利用を心よりお待ちしております。

 

この記事の監修者

株式会社青山花茂本店代表取締役社長北野雅史

株式会社青山花茂本店 代表取締役社長

北野雅史

1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。
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この記事を書いた人

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東京・表参道にある宮内庁御用達の生花店です。花一輪一輪を大切にお作りしたアレンジメントや花束、名人達が丹精こめて育てた蘭鉢や花鉢など、最高品質のフラワーギフトを全国へお届けしています。1904年の創業時より培ってきた、花の知識やノウハウを綴っていきます。
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