早春の頃に咲く黄色い花・ミモザの特徴 お手入れ方法や飾り方など

ミモザのブーケ

2月から3月頃に街角でよく見かける、黄色くてふわふわした花をご存知でしょうか。

明るいカナリアイエローの小さな花がたわわに咲いて誰しもの印象に残るそれは、マメ科ネムノキ亜科アカシア属の総称で、「ミモザ」と呼ばれている常緑高木です。

春らしい明るさで、生花店はもちろん、カフェやショップでも店内にディスプレイされているのを見かけます。

今回のブログではミモザが愛される理由や種類、お手入れ方法やおしゃれな飾り方などを詳しくご説明します。

世界で愛されるミモザの歴史

なぜ“ミモザ”と呼ばれるのか

生花店に並ぶミモザ
2月上旬、青山花茂店頭のミモザ

黄色くて丸いふわふわとした見た目の小さな花をたくさんつける木を、世間ではミモザと呼んでいますが、これはアカシアの木のことです。アカシアの木が属するマメ科ネムノキ亜科アカシア属は、オーストラリア原産の植物です。

では、なぜアカシアをミモザと呼ぶようになったのでしょう。

実はアカシアの葉はマメ科ネムノキ亜科のオジギソウ(学名:ミモザ[Mimosa])に似ており、アカシアがヨーロッパへ持ち込まれた時人々は、南半球から先にヨーロッパに上陸していた「オジギソウ=ミモザ」に似ているアカシアを「ミモザアカシア」と呼び、そこからアカシアをミモザと呼ぶことが広まったとされています。今やミモザという呼称の方が学名のアカシアよりもポピュラーとなりました。

世界中で愛されるミモザ

ヨーロッパの地中海沿岸地域でミモザは、春の訪れを告げる花として愛されています。太陽の色を黄色でイメージする欧州では、寒さがまだ残る頃に咲くミモザがまさに暖かい太陽のように見えたことでしょう。

そのことから南フランスではミモザを「冬の太陽」と呼び、2月中旬にミモザの開花と春の訪れを喜ぶ「ミモザ祭り」が有名です。ミモザ祭りのためミモザを農作物として生育している地域があり、その村や街を巡ることができる「Route du Mimosa(ミモザ街道)」という道があるほどなのです。

フランスでいかにミモザが愛されているかわかりますね。

またお隣のイタリアでは、3月8日を「ミモザの日」と呼び、男性から女性へミモザを贈ります。この習慣がやがて「国際女性デー」として世界に広まっていきました。

ミモザの日=国際女性デーとは?

国際女性デーを国連が公式に制定したのは1975年。きっかけは1904年、アメリカのニューヨークで女性労働者たちが婦人参政権を求めてデモを起こした日が3月8日だったことから、欧米では古くからこの日を女性の政治的自由と平等のために戦う日として祝ってきたそうです。

先でも述べましたが、特にイタリアではこの3月8日を女性への感謝を伝える「ミモザの日」とし、男性から女性へミモザを贈る習慣があり、3月8日はイタリアの町中にミモザが溢れます。贈る相手は奥さまや恋人だけではなく、おばあさまやご友人、お世話になっている方など。日頃の感謝や尊敬の気持ちを込めて、さまざまな方へミモザの花束を贈るのだそうです。

なぜイタリアで3月8日に贈る花がミモザになったのか、については「イタリアの女性組合のシンボルだった」「この時期に咲く花として誰もが手に入れやすかった」「2月から3月前半の肌寒い季節に咲くので強い女性の象徴とされた」など諸説ありますが、定かなことはわかりません。

発祥理由は正確ではありませんが、近年は日本でも国際女性デーの認知が広がり、各地でミモザを使用したイベントの開催が見られるようになっていますね。

青山花茂でも年々、ミモザの花束のご注文が増えています。ベテランデザイナー曰く、ミモザはここ何年かで昔では考えられないほど人気になったとのことです。

ミモザのブーケ
ミモザを束ねるフラワーデザイナー

では、生花店で見かけるミモザにはどんな種類があるのでしょう。次の項で詳しくご説明します。

ミモザの特徴と種類

銀葉アカシアと真珠葉アカシア
左側:銀葉アカシア、右側:真珠葉アカシア

国内の生花店で購入することができるミモザの品種は、主に「銀葉(ギンヨウ)アカシア」「真珠葉(シンジュバ)アカシア」です。

国内では銀葉アカシアの出荷量が最も多く、ギザギザとした細かい葉を持ち、低木の品種です。一方で真珠葉アカシアは、商品名としてはパールアカシアとしても流通していて、国内産の切り枝のミモザアカシアとしては銀葉アカシアに次ぐ流通量と思われます。

これ以外によく耳にするミモザの品種は、三角葉(サンカクバ)アカシアや、輸入品で入荷することの多いフサアカシアなど。ちなみにフランスでお祭りの時に咲くのは、フサアカシアです。

フサアカシアは街路樹としても植えられ、10〜15メートルもの樹高になる高木の品種。ねむの木のような細く分かれた葉をもち、銀葉アカシアより少し小さめの花を咲かせます。国内でミモザとして流通している銀葉アカシアや真珠葉アカシアにはあまり芳香はありませんが、本場のフサアカシアはよい香りをもちます。

ちなみに、同じ「アカシア」でもハチミツの原料として知られるものは、ニセアカシアというハリエンジュ属の木です。なかなかややこしいですね。

ミモザのお手入れ方法と上手な飾り方

ミモザとハサミ

生花店で購入したり、プレゼントされたミモザ。ご自宅ではどのようなお手入れが必要でしょうか。また、どうすればセンスよく素敵に活けられるでしょうか。

青山花茂のフラワーデザイナーに、それらの方法を聞いてみました。

ご自宅でのお手入れ方法

ご自宅へと持ち帰ったら、まず活ける前に「水あげ」を行います。水あげとは、植物が水を吸い上げやすい切り口にすることです。

以下の手順で行います。事前に水に浸かる部分の花や葉は取っておきます。

1. 斜めにカットする

ミモザの枝を斜めにカットする

切り花用のはさみで、斜めになるようカットします。

2. 根元を十字に割る

ミモザの枝の根本を割る

切り口にはさみを入れ根元を割ると、さらに吸い上げがよくなります。

うまく切ることができない場合、ハンマーやはさみの柄でつぶす方法もあります。

3. すぐに花瓶に入れ、しっかりと吸水させる

花瓶に入れたミモザ

花瓶に生けるまでの間に空気に触れたり、細菌が入ってしまうと吸い上げの力に影響する場合もあります。カットしたらすぐに花瓶に入れましょう。

ミモザは特に、枝を切ってしまうと水を吸い上げる力の弱い植物なので、フワフワの花を楽しめるのは1日や2日程度のごくわずかな期間。残念ながらその後はドライ状態になったり黒くなっていくものです。黒くなった部分はその度に取り除きましょう。

切り花を長持ちさせる方法も以下の記事でご紹介しています。こちらもご覧ください。

関連記事:「切り花を長持ちさせるには?老舗生花店がお答えします

水あげ後、花瓶を用意して早速活けてみましょう。

上手に飾るには?センスよく見えるために必要なこと

生花店で花を購入して花瓶に活けたものの、「何だか垢抜けて見えない」と感じたことがあるかもしれません。

素敵に見えるためには、花と花瓶との高さのバランスが取れているか、がポイントです。活ける花や枝の長さを花瓶の高さの2〜2.5倍にすることがフラワーデザイナー曰くおすすめとのこと。

枝は毎日の水換えで徐々に短くなっていきますが、上記のポイントを押さえて長さに合った花瓶を選ぶようにしましょう。

ミモザを本数別に活ける
左上:短くしたミモザ1〜2本をテーブルサイズの花瓶に
右上:12本。長さを生かして高さのある花瓶に
左下:5〜7本。左に傾けて流れを作っても
右下:8〜10本。左右対称にバランスよく

ミモザと合わせるのにおすすめの季節の花

ミモザが咲く2〜3月の間に生花店に並ぶ花や枝ものはさまざまです。この時期は1年で最も花の種類が多く、フラワーデザイナーも腕が鳴る季節なのです。

代表的なものに、以下があります。

  • チューリップ(1月上旬〜3月下旬)
  • スイートピー(1月上旬〜3月下旬)
  • ラナンキュラス(1月中旬〜3月下旬)
  • 桜(1月中旬〜3月下旬)
  • リューココリネ(1月中旬〜3月下旬)
  • コデマリ(1月中旬〜3月下旬)
  • 桃(2月中旬〜3月上旬)

これらの花とたっぷりのミモザをアレンジしてみました。

花瓶に活けたミモザと春の花
左:白やオレンジの花と(ミモザと合わせた花は、ラナンキュラス、アリウムコワニー、マトリカリアなど)
右:青や淡い紫の花と(ミモザと合わせた花は、リューココリネ、デルフィニュームなど)

明るい黄色のミモザには、白やクリーム色、そして淡いオレンジなど、同系色がよくなじむでしょう。淡いピンクやグリーンとの相性も抜群です。

他には全体の1〜2割のブルー系や紫系の花々を加えると、上品で深みを感じる仕上がりになります。このようなアクセントカラーの使用は、単調なデザインになりがちな時におすすめです。

どんな花が合わせたらいいかわからない場合は、生花店のスタッフに尋ねてもよいでしょう。

豊富に花が並ぶ時期だからこそ、ミモザとの花合わせをぜひ楽しんでいただきたいと思います。

花が終わったらドライにしてみましょう

ふわふわのミモザとドライのミモザ
左側:ふわふわの状態のミモザ、右側:ドライの状態のミモザ

ふわふわで華やかな印象のミモザは、ドライになると落ち着いた色合いに変化します。ドライになっても色を残してくれる花なので、近年はスワッグやリースの材料によく利用されていますね。

ドライフラワーにするのに特に難しい事はありません。初心者でも簡単に仕上げることができるハンギング法をご説明します。

ミモザをドライにする方法【ハンギング法】

  1. ミモザを1本ずつ逆さに持ち、スパイラル状に束ねる
  2. 束ねた部分を紐で結ぶ
  3. 風通しがよく、直射日光の当たらない場所に逆さに吊るして乾かす

以上で、ミモザイエローを長く楽しめるドライフラワーの完成です。

束ねて手で持っているミモザ

きれいなドライフラワーに仕上げるコツもご説明します。

束ねる際に枝の根元が濡れていたら、紙や布でしっかり拭き取りましょう。また、乾燥させる工程で部屋の湿度が高いと乾くのに時間がかかり、黒ずんだりカビが生える要因となります。できるだけ乾燥しているお部屋や風通しのよい場所で行ってください。乾かす時間が短ければ短いほど、きれいに仕上がります。

ミモザの花を楽しんだ後は、ぜひドライフラワーも試してみてくださいね。

ミモザのふわふわ感について詳しくご紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。

関連記事:「ミモザの特別な「ふわふわ感」を楽しむ

ミモザのフラワーギフトをご紹介

青山花茂では、ミモザを用いたフラワーギフトをご用意しています。

ミモザは細かい花や葉が散り落ちる特性がありますが、華やかでとても可愛らしい花を楽しめるのは1年でこの時期だけ。贈り物としてはもちろん、ご自宅でもぜひお楽しみください。

たわわに咲いた黄色い花がいっそう魅力的なブーケ

ミモザの花束
お好きな本数をご指定できるミモザの花束

ミモザのみでお作りしたブーケです。ふわふわのミモザをシンプルにお楽しみいただける品物です。

3月8日のミモザの日はイタリアの伝統にならって、日頃の感謝のお気持ちを込めて贈ってみてはいかがでしょう。お好きな本数をご指定いただけます。

明るいイエロートーンのロングスタイルブーケ

ミモザとカラーとラナンキュラスの花束
ミモザに、白い大輪カラーや春の花々を合わせた花束

白い大輪カラー、オレンジのラナンキュラスや白いスイートピーに、ぱっと華やぐ明るい黄色のミモザを合わせました。抱えるほどのロングスタイルの花束は、お喜びのご贈呈にもふさわしいひと品です。

高さのあるアレンジメントは開店祝いにもおすすめ

ミモザとカラーの高さのあるアレンジメント
ミモザを広がるように、淡いグリーンの花々と合わせたアレンジメント

濃淡グリーンのカーネーションやトルコキキョウに、グリーンのカラーの長いステム(茎)が映え、黄色いミモザやユーカリなどのリーフが動きを添えています。高さのあるシルエットが際立つ、明るい雰囲気のアレンジメントです。

ショップやクリニックの開店祝い、劇場、展覧会や個展へのお祝いなど、華やかなシーンにも一際目を引くデザインです。

やわらかな花色合わせのアレンジメント

ミモザとラナンキュラスのアレンジメント
ミモザと淡いピンクのラナンキュラスのアレンジメント

ミモザ、淡いピンクのラナンキュラス、そして白いマーガレット。細やかなリーフを効果的に添えて、小花プリント模様のような優しい印象のアレンジメントです。

明るくナチュラルな花色合わせで、どなたにも喜んでいただけるデザインです。幅広いご用途におすすめです。

こちらでご紹介した品物以外にも、ミモザを用いたフラワーギフトをご用意しています。

ミモザを使ったフラワーギフト一覧へ

良品の国産ミモザが流通するのは約1ヶ月間

ミモザを贈る男性

黄色い粉のような花の散りゆく様子も、春の便りとして楽しんでいただけるミモザの花。

この機会に、新しいかたちの春の便りも贈られてみてはいかがでしょう。

良品の国産ミモザの流通期間が限られるため、青山花茂のミモザを使ったフラワーギフトのお取り扱いは、2月上旬から3月上旬までの約1ヶ月間とさせていただいています。

3月8日のミモザの日はもちろんのこと、2月14日のバレンタインデー、誕生日や記念日など、さまざまなお祝いにぴったりです。大切な方へ、ぜひ季節感豊かなミモザのフラワーギフトをお贈りください。

 

 

 

この記事を書いた人

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青山花茂本店

東京・表参道にある宮内庁御用達の生花店です。花一輪一輪を大切にお作りしたアレンジメントや花束、名人達が丹精こめて育てた蘭鉢や花鉢など、最高品質のフラワーギフトを全国へお届けしています。1904年の創業時より培ってきた、花の知識やノウハウを綴っていきます。
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