枝ものを飾ることは豊かさの象徴?枝ものサブスク導入のメリットをご紹介します。

土佐水木の花瓶活け

実感としては2010年代から、植物を家庭に置くことの効果が見直され、観葉植物ブームが起こり、コロナ禍ではドライフラワー界隈も盛り上がり、生花のサブスクを選ぶ方も増えてきました。そして最近、枝ものを家に飾る方が増えています。今回は、枝ものを飾ったり、サブスクで頼むことのメリットについて言語化していきたいと思います。

1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。

1.季節を感じることができる

春は梅や桜をはじめとする多様な花木(かぼく)、夏はアセビやドウダンツツジなどのグリーン、秋冬になれば色づいた紅葉(こうよう)や南天や千両などの実もの。常に部屋に枝ものがあれば、それだけで季節を感じることができます。アセビやユーカリなど、枝ものの中には一部、通年で入手が可能な常緑のものがありますが、ほとんどが「その季節にしか出会えない枝もの」であり、これは温室での生産が定着している切り花よりも顕著です。(例えばバラやユリは実際、一年を通して出会うことができる)

桃の枝もの
桃の枝もの花瓶活け

植物に関する季語の多さ

四季のある国の日本人は、古くから植物の姿を通じて四季を感じてきました。俳句には「季語」が存在しますが、季語の中で植物に関するものの多いこと。調べると、「気象」や「行事」と同じかそれ以上に植物の季語が存在しており、季語を必ずしも求めない短歌にも季節の植物が多く登場します。いかに我々の先祖が植物から季節を感じ取っていたかがわかります。1年に1度の短い期間しか出会えない気象や植物などの情景の変化に心を動かされ「ああ、桜は一瞬で散って儚いな」とか「今年も紅葉が綺麗だな」と純粋に感動し、その感動を伝えたくて短歌や俳句が詠まれていたように思います。

季節を感じたいのは当然の反応

現代の自然から離れた都会の暮らしでも、四季の植物との関わりはあって、たとえば「旬の食材」や「お花見」や「紅葉狩り」がそうです。これらを私たちが好むのは、季節を感じ取りたい・一瞬の季節を楽しみたい、という欲求が存在するからです。短歌や俳句に植物の季語を入れて詠んだ先人たちと同じく「季節の移り変わりに心が動く」という反応は私たちに生まれ持って刻まれたもので、自然とのつながりが薄くなっている都会の暮らしを思えば、花や枝など季節を感じるものをそばに置いておきたくなるのは当然のことではないでしょうか。

パンパスグラス
パンパスグラスの花瓶活け

植物を身近に置くことのリラックス効果や生産性向上の論文は数多あって、科学的に証明されているわけですが、観葉植物やドライフラワーにあるそういった効果に加えて、「季節感」というメリットを与えてくれるのが花であり枝で、特にそれぞれの種類に出会える季節が限られる枝ものは、より「季節感」を強く感じさせてくれるものなのです。

2.枝ものに触れることで景色の見え方が変わる

私はさまざまな枝ものの種類を知ってから、景色の見え方が変わり、外を歩く楽しみが本当に増えました。枝ものの種類を知らなかった頃は単一に見えていた木々の解像度が高まった印象です。

ただの街路樹が楽しみに変わる

たとえば、春の枝ものであるモクレンとコブシはとても姿が似ていて、モクレンの方がやや蕾や花が大きく上を向いて咲くのに対して、コブシは横や下にもランダムに咲きます。モクレンが街路樹によく使われていますが、コブシもしばしば見かけ、出会うたびに「ん?これはコブシかモクレンか?」と思案します。同じように冬に椿を見かけると「これはサザンカではないよな?」と近寄って葉の姿を確認します。

街路樹のある風景

また、桜について「今年は早い・遅い」と皆が話しますが、気になるのは桜だけではなく、豪邸の庭に咲くミモザやモッコウバラ、秋の公園のキンモクセイなどが例年と咲くタイミングが違うと、日照量や気温などの原因を探りたくなります。 いつも見かける近所のビワ、ザクロ、柿などの果実の実り具合も年によって変わりますし、千両や南天などの赤い実が、夏の台風が多かったり日照りが厳しすぎると実つきが悪くなってしまうことも気になります。 このように枝ものを知ることは、我々の知的好奇心を満たしてくれ、飽きさせません。街を歩くだけで街路樹が楽しませてくれるので、山登り・山歩きはもっと楽しくなります。

教養としての枝もの

話題に困る相手との会話はどうでしょうか? 何か会話が必要な時や、アイスブレークが必要な打ち合わせの時、皆さん天気の話をされますが、当たり障りないという意味では植物の話題も同じで、天気の話より興味深いことも多いのではないでしょうか。私は景色を眺めながら人と話すとき、視界に入る樹木の話題に触れることがあり、結構会話が弾みます。一般教養とは言いませんが、枝ものに限らず植物の話の引き出しはあっても良いと思います。枝もののサブスクに登録している方は、家に届いた枝もの話をしても楽しいですよね。

教養に近い意味では、都会で暮らすご家庭で、お子さんに季節感や植物への親しみを持たせるために枝ものや花のサブスクを利用されている方も一定数いらっしゃいます。確かに自然との接点が少なくなった現代では、子どもの感性を育む情操教育の材料として枝ものをお家の中に置いておくのも一つの方法かもしれません。

3.枝ものを飾ることは豊かさを加えてくれる

手間もお金もかかる

やや大袈裟な表現ですが、生の花や枝を自宅やオフィスに飾ることは「余裕の現れ」「豊かさの象徴」とも言えると思っています。なぜなら、生の花や枝を欠かさないことは手間もお金もかかるからです。観葉植物は一度購入して水やりを行えばしばらく買い替えは不要ですし、造花やドライフラワーは買い替え不要に加えてメンテナンスすら必要ありません。

枝ものが自宅にある風景

一方で、根のついていない花や枝は水換えや枯れた部分の処理が必要ですし、花は鑑賞期間が1週間程度、枝は長くても2週間程度で、毎回新しいものを手に入れなければならないわけです。こうした手間をかけ続けるには、お財布の余裕も時間や心の余裕も必要となります。

高級ホテルでは造花は飾らない

海外で最高級のラグジュアリーホテルを訪れると必ず造花ではなく生花が飾られていますが、これは生の枝や花が空間に「豊かさ」という印象を与えてくれることと無縁ではないはずです。最近は有名インフルエンサーの自宅の背景に枝ものが飾られているのを見かけるように、ボリュームある枝ものを飾ることがご自宅に「豊かさ」を加えるというメリットがあると言えるでしょう。

ラグジュアリーホテルの枝ものの活け込み
ラグジュアリーホテルの枝ものの活け込み

4.枝ものはインテリアのアクセントになる

床間に飾られていた枝もの

日本ではかつて、枝ものは「いけばな」を通じて多くの家庭で家の中に飾られていました。いけばなでは、フラワーデザインと異なり、枝ものを多く使います。戦後から昭和後期、ほとんどの女性が嫁入り準備として「いけばな」の技術を備えていた中で、日本家屋の床間には枝や花が飾られるのが当たり前でした。

栗、竜胆、女郎花の花瓶活け

変わらないインテリアの中の変化

日本の現代の家屋には床間が存在する家の方が珍しく、「枝ものを飾るべき場所」は用意されていません。それでもインテリアのアクセントとして、部屋のどこかに枝もの(または花)を飾ることにはメリットがあると思っています。

それは「変わらない物の中に変わる物がある」という心地よい楽しさです。家具や照明などは頻繁に変わるものではなく、いつも同じです。当然、家は落ち着く場所である必要があるのでインテリアは頻繁に変わらないべきだと思いますが、その中に一箇所でも変わる場所があると飽きないし、楽しさが生まれるのではないでしょうか。例えば部屋の角の花瓶に入れた枝ものが2週間に1回、もしくは1ヶ月に1回変わるだけで、常に変化が楽しめ、それに季節性があり、自然とのつながりが感じられる。常に変わらないインテリアの「変わる」アクセントになる、それが枝ものを飾ることのメリットの一つです。

そう考えると、日本家屋における床間も、好みの掛け軸をたまに変えたり、置く花瓶を変えてみたり、枝や花を活け直したり、家主の趣向や気分に応じて変化させるアクセントとして機能していたのかもしれないと思います。

床の間のある風景

5.サブスクなら悩む必要がない

今回ご紹介したように、枝ものを置くことにはたくさんのメリットがあります。しかし、枝ものを飾りたいと言っても、どのような枝ものを選べばいいのか、何が長持ちするのか、何が季節を感じさせるのか、最初はわからないことが多いと思います。また、枝の鑑賞期間が終わるとともに次の枝ものを買いに行くのも手間があります。

定期的に枝ものが届くサブスクなら、それらの悩みや手間は不要です。

青山花茂がお届けする「季節の枝もの定期便」では、全国から仕入れた良質な枝ものの中から、その時季ならではの旬の枝ものを厳選。入荷して間もない鮮度の良い枝ものを、花瓶に生けやすいよう束ねて、宅配便で全国へお届けします。また、枝ものについて詳しく知っていただけるよう、お届けした枝ものをご紹介するカードも同梱しています。名前や特徴などを知ることで、飾るだけでなく、その季節ならではの枝ものをより身近にお楽しみいただけます。※お届けする枝ものの内容は、おまかせとなります。

青山花茂の「季節の枝もの定期便」で、四季の移ろいをご自宅でお楽しみください。

皆さまのご利用を心よりお待ちしています。

いけばな事業部電話番号:03-6433-9187
受付時間 9:00~17:00(日曜定休)

 

この記事を書いた人

青山花茂本店代表取締役社長北野雅史

株式会社青山花茂本店 代表取締役社長

北野雅史

1983年生まれ。港区立青南小学校、慶應義塾中等部、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学経済学部経済学科卒業。幼少期より「花屋の息子」として花への愛情と知識を育む。2006年〜2014年まで戦略コンサルティングファーム A.T. カーニーに在籍。2014年、青山花茂本店に入社し、2019年より現職 (青山花茂本店 五代目)。
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